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「不安を感じる」感染拡大進む中で五輪開催

2021年7月23日 20:46
「不安を感じる」感染拡大進む中で五輪開催

東京都では23日、新たに1359人の感染が確認されました。厳しい感染状況の中で迎えるオリンピックに、医師からは「不安を感じる」との声も上がっています。

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連休2日目の23日、東京では新たに1359人の新型コロナウイルス感染を確認。これで4日連続で1000人を上回りました。

年代別では20代が492人と最も多くなっています。

20代
「おー、多い。ちょっと多いのが続いているので慣れてしまうっていうのも正直あります」

23日午前中、東京都の小池知事は、東京オリンピックの開会式を迎えるにあたり、改めて新型コロナウイルス対策に注力する考えを示しました。

東京都 小池知事
「大会運営に万全を期してまいります。都としてなすべき対策にまい進してまいります」


その開会式が行われる「国立競技場」付近にある飲食店。無観客での開催となり、外国語のメニューなど、この日のためにしてきた準備がムダになってしまいました。

当初は残念だったといいますが、現在の東京の感染状況を考えると…

一堂 店主・飯野直樹さん
「オリンピック・パラリンピックのあとも営業していくことを考えれば、(無観客は)残念なんですけど、ホッとしている気持ちです」

結果として無観客でよかったと思えるようになったといいます。

また、店の周りで開会式への準備が進むにつれ…

一堂 店主・飯野直樹さん
「(開会式が)できることに関してはうれしいと思います。(選手を)応援はしているので、がんばっていただきたい」

選手を応援したいという前向きな気持ちも生まれてきたといいます。

こうした中、23日、組織委員会は過去最多となる大会関係者19人の感染が確認されたと新たに発表しました。このうち2人がチェコ代表の選手で、チェコ選手団の感染者はあわせて6人となりました。

ロイター通信は、チェコメディアの話として、最初に感染がわかった同行の医師がワクチンを接種していなかったと報じました。

コロナ患者を受け入れている都内の病院の院長は…

昭和大学病院 相良博典院長
「我々のところに入院してくる患者さん自体もかなり多くなってきてますので、その中で変異株がデルタ株(インド型)に置き換わっている現状です。(医療体制が)ひっ迫しつつある」

現在、ICUに入院している患者全員が40代、50代。症状が重く、治療に長い時間がかかる患者が増えているといいます。

選手対応などのため、会場に医師を派遣しているという昭和大学病院。

昭和大学病院 相良博典院長
「感染者の数自体がどんどん増えてきている状況の中で開催されましたので、そういう意味では(医師も)不安感をもって対応している状況」

オリンピックの成功に必要なことは…

昭和大学病院 相良博典院長
「(会場の)中で感染が広がっていく可能性はあると思う。中がどういう状況になっているかは我々には見えませんけど、きちんとした感染対策をやっていただきたいと思う」

オリンピック関係者に改めて基本的な感染対策を徹底するよう呼びかけています。