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日頃の感染対策確認「全国コロナ検定」とは

2021年7月16日 21:16
日頃の感染対策確認「全国コロナ検定」とは

東京オリンピック開会式まで1週間となる中、新型コロナウイルスは「第5波」とも言える感染拡大が続き、40代から50代の入院も増えています。そんな中、自分のコロナに関する知識を試すことができる、ある検定が公表されました。クイズ形式で気軽に挑戦できます。

 ◇◇◇

■東京の感染状況「若年・中年層」の入院患者数増加

まずは東京の新型コロナの感染状況からです。15日、東京の新規感染者は1308人で2日連続の1000人超えとなりました。そして、1300人を超えたのはおよそ半年ぶりです。

深刻なのは、15日のモニタリング会議でも専門家が指摘した「入院患者数」です。6月中旬ごろの1200人台からこの1か月間で急増しています。15日時点では倍近くの2084人になっています。この入院患者、これまでと違うのは「若年・中年層」が増えている点です。

東京都の入院患者を年代別の割合で見てみます。グラフの赤い線よりも上が60代以上で、下が50代以下を示しています。2月ごろには入院した人のほとんどが高齢者だったのがわかります。その後、50代以下の割合が増えていきました。

現在は40代から50代だけで全体のおよそ40%を占めるまでになっています。高齢者の割合が減ったのは、ワクチンの効果が出ているためとみられます。

ただワクチンがなかなか行き渡らない中高年層や、若い世代の入院患者が増えていて、少し遅れて重症者が増える可能性もあるため警戒が必要です。

■医師らが監修の「全国コロナ検定」とは?

私たちはコロナとすでに1年半以上つきあってきているわけですが、改めてコロナに関する知識や、感染を防ぐ行動をどれくらい身につけているかを試すことができる、新たな検定が公表されました。

慶応義塾大学と民間企業が医師らの監修を受けて開発した『全国コロナ検定』というものです。インターネットで誰でも無料で受けることができます。

実際に検定の中から問題をご紹介します。検定を受けた人の平均点は100点満点中の49.02点となっています。

Q.新型コロナ感染から平均何日目が最も発症しやすい時期?
1.約2日目
2.約5日目
3.約14日目
4.約21日目

正解は2.の「感染からおよそ5日目」です。新型コロナウイルスの潜伏期は14日以内。感染から5日前後で発症することが多いということです。

Q.ウイルス量が最も多く自覚なく他者に感染させやすい時期は?
1.発症日の1週間前
2.発症日の前後数日間
3.発症後3日~7日
4.発症後7日~10日

正解は2.の「発症日の前後数日間」です。他の人に感染させる可能性がある期間は、発症の2日前から発症後7~10日間程度とされています。ウイルスの排出量が多くなるのは発症の直前直後になります。こちらの問題の正答率は47%です。

Q.新型コロナは感染しても無症状または軽症の方が多いです。その割合はどのくらい?
1.2割
2.4割
3.6割
4.8割

こちらの問題は正答率が31%しかない難問です。正解は4.の8割です。発症から1週間程度で回復する軽症の人が8割です。ただ、酸素投与が必要になるケースは15%程、集中治療室(=ICU)で治療が必要になる重症の人が、およそ5%いるので注意が必要です。

■日頃の感染対策 年代によって差が出たのは?

『全国コロナ検定』では、こうした知識を問う問題だけでなく、日頃の感染対策をどの程度徹底しているかについても採点の対象となっています。

これによりますと、不織布マスクの着用や飲食前の手洗いなどは、年代にかかわらず半数以上の人が「よくできている」と回答しています。

一方、年代によって差が出たのが「飲食時、人と向き合わないようにしている」や「エレベーターや更衣室などの密室では会話をしない」です。これらについては20代~30代よりも40代~50代の方が「よくできている」と答えた人の割合が高かったということです。

つまり、飲食時や閉鎖空間での会話などについては、若い世代の方が、より一層意識する必要があるということです。

 ◇◇◇

1年半のコロナとのつきあいの中で、「感染対策については十分わかっている」と思いがちですが、意外と忘れていたり、不確かなまま思い込んでいたりすることも多いことがわかります。何よりも感染症対策の基本である、正しい知識と行動を改めて見直すことも大切です。

(2021年7月16日午後4時ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より)