新型コロナウイルスの感染が急速に拡大しているミャンマーで、軍の統制下にある保健当局が、治療や移送などを行うボランティアへの参加を呼びかけました。しかし、弾圧を受けてきた市民の反応は冷ややかです。

ミャンマーでは、軍のクーデターに反発する医療関係者が、職場を放棄する「不服従運動」を続ける中、感染が急拡大しています。こうした状況を受け、保健当局は１４日付の国営紙を通じて、コロナ患者の治療や移送などを行うボランティアを呼びかけました。

一部の医療関係者の欠勤で人手が不足しているほか、ウイルスの感染力が強いため、予防や制御が困難になっていると説明しています。これに対し、弾圧を受けてきた市民からは「いまさら助けを求めるのか」などと、冷ややかな反応もみられました。

一方、軍に拘束され、複数の罪に問われているアウン・サン・スー・チー氏が、新たに四つの汚職防止法違反で訴追されました。弁護士によりますと、違反の詳しい内容は分かっていないということです。スー・チー氏の拘束がさらに長期化するのは避けられない状況となっています。

写真：「Ｔｈｅ　Ｉｒｒａｗａｄｄｙ」