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中国 “カラオケ”の監督強化へ

2021年7月13日 17:23

中国政府は、カラオケで歌う楽曲について、監督を強化する方針を発表しました。習近平指導部が思想統制を強める中、娯楽分野への締め付けも一段と強まっています。

中国の文化観光省は今月6日付で「カラオケ音楽の暫定管理規定」を発表。それによりますと、「“健康的な”音楽を奨励する」とした上で、次のような規定が設けられています。

●通信カラオケの提供企業は、規定に“違反”した曲が含まれないか精査する。
●文化観光省が、カラオケ企業や行政部門からの報告をもとに“違反”した曲のリストを作る。リストにあがった曲は流すことを禁止する。
●“違反”の疑いがある曲については、政治・宗教など各分野の専門家に意見を求める。

これまで中国では、「娯楽施設管理条例」(2006年施行)に基づき、例えば、「国家の安全を危険にさらすもの」「民族差別をあおり団結を壊すもの」など9つの事項に触れる曲について、娯楽施設で流すことを禁止してきました。

しかし、登録された曲やカラオケ店が増えるにつれ“違反”への対処が追いつかなくなったため、政府は今回の規定で、業界団体の責任を明確にした上で、カラオケに提供する曲を自分たちで精査し、報告させることにしました。

具体的に禁止される曲は明らかになっていませんが、例えば台湾(「中華民国」)の“国歌”などは歌えなくなるものとみられます。

習近平指導部は、政治・教育などさまざまな分野で思想統制を強化しており、今回の規定でカラオケという大衆娯楽にまで締め付けに乗り出したかたちです。

中国のインターネット上には、「やりすぎだ」「“健康的”な音楽ってどこで線引きするんだ?」といった反発の声や、お気に入りの歌手の曲を歌えなくなるのではないかと心配する声もあがっています。