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九州で記録的大雨…どう備える? 記者解説

2021年7月10日 17:18
九州で記録的大雨…どう備える? 記者解説

10日は大雨特別警報が一時発表されるなど、九州各地で記録的な大雨になりました。大雨の備えについて、社会部災害担当キャップの中濱記者が解説します。

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――川の危険を知るための方法は?

中濱記者「スマホやネットで使える国土交通省の『川の防災情報』を活用してください。川に設置されたカメラ画像で川の様子が普段とどのくらい違うのか見られるので、川を見に行ったりしないよう、防災行動に役立ててください」

――そして、静岡県熱海市の土石流の発生から1週間です。この時の大雨は10日朝の九州とは雨の降り方が大きく異なりました。

中濱記者「雨量グラフの熱海市内にある観測点の雨量データでは、今月1日から土石流が起きた3日にかけて断続的に雨が降っていました。降り方は激しくない。長い期間にわたってダラダラと降り続けるものでした。注目点は『土壌雨量指数』。これは地面の中の水分がどれくらいあるのか、土砂災害の危険性がどのくらい高まっているかを示すものです」

――自治体が発表する避難に関する情報はどうなっていたか?

中濱記者「土石流発生前日の2日午前中には熱海市は警戒レベル3の『高齢者等避難』の情報を出し、さらに昼過ぎには気象台などが『土砂災害警戒情報』を発表していて、いつ災害が起きてもおかしくない状況でした。しかし、3日になって土壌の雨量はさらに増加して土石流が発生しました」

――身の周りで激しい雨が降っていない。土の中の様子は分からない。危険を感じにくい。どうすればいいのか?

中濱記者「スマホやパソコンで見られる気象庁の危険度分布で土砂崩れの危険を調べることができます。自宅などが、土砂災害の危険が高い山や崖のそば、熱海のように土石流が起きやすい川のそばにある方、こうした情報も参考にして早めの対策をしてください」

大雨には様々な降り方があり、予測が難しい現状です。今回被害を受けていない地域にお住まいの方も自分事ととらえ、ご家族や近所の方と今のうちに“備え”をしてください。