東京に4度目の“宣言” 酒類の提供は…
政府は8日午後、東京に4度目となる緊急事態宣言を出すことを決定しました。
4度目の“宣言”で、生活にどのような影響が出るのでしょうか。
今年4月の3度目の宣言では当初、東京都は百貨店など大規模商業施設に休業要請を出していましたが、今回は休業要請を出さず、現状の時短要請にとどめる見通しです。
これに不満をぶつけたのが、自社のイベントに出席した居酒屋チェーン「ワタミ」の渡辺会長です。
ワタミ 渡辺美樹会長
「百貨店はいい。映画館はいい。それは緊急ですか?緊急じゃないと」
政府は要請に応じる飲食店に対し、協力金を先渡しするなど、これまでにない仕組みを導入するとしたことについて…
ワタミ 渡辺美樹会長
「(協力金の)先渡しで、そのあと営業を見張れるのかの問題はありますが、お金をつなげるようにしてあげれば、闇営業は減ってくると思います」
ただ、その“闇営業”を巡り、西村経済再生相からはこんな発言が…
西村経済再生相
「お酒の卸販売事業者の方々に、そうしたお店に酒類の提供を行わないような要請を行い」
要請に従わない飲食店などに対し、酒を販売しないよう酒店に求める考えを明らかにしたのです。
これに都内の酒店は…
酒の善波 善波栄治社長
「80年この仕事をやっているとお得意さまもあるわけで、(政府から)要請がありましたからお届けできませんというのは、心情的にも難しいと」
二重の不安を感じているのが、東京・渋谷にあるスポーツバーです。
スポーツバー・フィールズ 田中守店長
「もしかしたら、お酒をしまわなくちゃいけないのかなって。店の経営自体が緊急事態ですね」
スポーツバーならではの先々の不安も…
東京オリンピック期間中は、お酒とおつまみをセットにしたお得なメニューを出すことも検討していたといいます。しかし、その期待も…
スポーツバー・フィールズ 田中守店長
「オリンピックでちょっとはって思ってたんですけど、(お酒が出せないと)もう完全に本当にガクッとという感じ」
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“宣言下”で迎える東京オリンピック。
東京で行われる開閉会式や午後9時以降の競技は無観客となる見通しですが、地方の会場や日中の観客数については、いまだに調整が続いています。
8日に来日したIOCのバッハ会長も参加する8日夜の5者協議で観客数が決まる見通しです。
そのオリンピックなど、“インバウンド需要”が消えた街、東京・銀座。
古くからある店も閉店に追い込まれる中、奮闘を続けるのが和菓子店の3代目店主、斉藤さんです。
2020年、スポーツイベントが中止となり、どら焼き1000個が当日キャンセルとなりましたが、銀座のレストランが全て買い取ってくれたといいます。
その時、言われた言葉が…
木挽町よしや・三代目 斉藤大地さん
「(レストランの社長から)うちはいいから、銀座の街に何か(恩返し)をしてあげてくださいと」
そんな時、銀座の老舗洋食店のカツサンドとどら焼きを“物々交換”したことをSNSにあげたところ、予想以上の反響が。そこで、ひらめいたのが…
木挽町よしや・三代目 斉藤大地さん
「どら焼きが次に何になっていくのか、わらしべ長者的な感覚で」
銀座のお店などと物々交換をしていく様子をSNSにあげることで、街全体が注目してもらえると考えたのです。
どら焼きで始まった物々交換は指輪にまでかわった時もあり、銀座に店を構える大手企業も参加するまでに。そして、最後の100回目の参加企業、UNIQLOから贈られたのは…
木挽町よしや・三代目 斉藤大地さん
「100社まで物々交換した企業がのっているロゴのTシャツなんですけど」
物々交換で人と人とのつながりが生まれた銀座。浅草や鎌倉でも同様の活動が広がっています。
4度目の宣言も…
木挽町よしや・三代目 斉藤大地さん
「(宣言で)人と人との気持ちが分断されていくのが一番怖いので、そこの思いとか“つながっていきたい”と思いますけど」
(news every.7月8日午後5時57分頃放送)