ワクチン接種が進むアメリカは、独立記念日を迎えました。ホワイトハウスにはおよそ１０００人が招待され、マスクなしの密集状態でパーティーが開かれました。海外でのコロナをめぐる最新の動きです。

■アメリカ　ホワイトハウスの庭でパーティー…批判の声も
（アメリカ　感染者３３７１万７５７４人　死者６０万５５２６人　米ジョンズ・ホプキンス大　５日午後５時時点）

世界最多の３３００万人以上が感染したアメリカ。

ホワイトハウスの庭では、１０００人が招待されたバーベキューパーティーが開かれました。市内では花火も打ち上げられ、市民はお祝いムードに包まれていました。

独立記念日を迎えた４日、バイデン大統領は─。

バイデン大統領
「ウイルスからの独立宣言にかつてないほど近づいている。ただ、ウイルスとの戦いは終わっていない。まだやるべきことが多くある」

「アメリカは戻ってきた」と社会の正常化をアピールしました。

ワクチン接種が進むアメリカでは、ＣＤＣ（＝疾病対策センター）が５月、マスク着用の指針を緩和し、ホワイトハウスでは、およそ１０００人がマスクなしの密集状態でパーティーが開かれました。

アメリカの人は―
「こんなに大勢の人と過ごすのは（パンデミック以降）初めてです」

一方で、大統領は、この日までに１８歳以上の７割の接種を目標に掲げていましたが、１回の接種を終えたのはおよそ６７％に留まっています。

ただ、ある専門家が「ウイルスからの独立を祝うことが、まだ接種していない人へ誤ったメッセージに」と懸念を示すなど、ホワイトハウスのイベント開催には、批判の声も挙がっています。

こうした中、カリフォルニア州の動物園では、動物への接種をスタートしました。ロイター通信によりますと、リスクが高いとされる大型のネコ科やフェレットが優先されるということです。

■ロシア　サポーターの集団感染　ＷＨＯは東京五輪も警戒
（ロシア　感染者５５４万４２０９人　死者１３万５６３７人　米ジョンズ・ホプキンス大　５日午後５時時点）

５５０万人以上が感染したロシア。

サポーターの集団感染が判明したサッカーヨーロッパ選手権のサンクトペテルブルクの会場では、マスクを２時間ごとにつけ替えるよう呼びかけられています。

ロシアのサッカーファン
「自分たちの安全を守ろうとしています」
「他の人たちの安全もね」

フィンランド人のサポーターおよそ３００人の集団感染の原因とみられる試合では、サポーターらがマスクなしで密集する様子が見られました。急速な感染拡大が続く中、大規模イベント開催に反対の声も上がっています。

ロシアの医師
「医師としては、大規模イベント開催に反対です。感染対策を万全にしても、接触や感染は起きます」

こうした中、ＷＨＯ（＝世界保健機関）は、東京オリンピックにも警戒を求めています。

ＷＨＯ
「ヨーロッパ選手権から学んだ。感染対策を怠れば感染は拡大する」

■スペイン　マヨルカ島に観光客戻る
（スペイン　感染者３８３万３８６８人　死者８万９１１人　米ジョンズ・ホプキンス大　５日午後５時時点）

３８０万人以上が感染したスペイン。

リゾートのマヨルカ島にイギリス人観光客が戻ってきました。

イギリス人観光客
「素晴らしいしハッピーだ」

イギリス政府は、マヨルカ島周辺への旅行客に対し、帰国後の隔離を免除する一方、スペイン入国の際にはワクチンの接種証明などが求められています。

■韓国　マスク着用義務解除も一転…屋外で着用求める
（韓国　感染者１６万７９５人　死者２０２８人　韓国・保健当局　５日）

１６万人以上が感染した韓国。

今月１日からワクチンを１回でも接種した人を対象に、屋外でのマスク着用義務が解除されました。しかし、４日─。

韓国・保健当局
「首都圏に対しては原則的に、ワクチン接種の有無と関係なく、屋内外の着用を勧告する」

一転して屋外でのマスク着用を求めました。

再び感染が拡大している韓国では、デルタ株の感染者も増加しています。午後１０時以降は、公園などの野外でも飲酒が禁止されました。

こうした中、ソウルでは３日、労働組合の団体が最低賃金の引き上げなどを求め、集会を決行し、およそ８０００人が集結しました。しかし、ソウル市内では、１０人以上の集会は禁止されています。５日、文在寅大統領はー。

韓国・文在寅大統領
「違法な大規模集会など防疫指針に違反する集団行為に対して、断固たる法的措置を取らざるを得ません」

ソウル市は、感染対策に違反したとして刑事告発し、警察も捜査をしています。

　　　　◇◇◇

世界では１億８３００万人以上が感染し、３９０万人以上が死亡しました。（世界　感染者１億８３７９万４３９６人　死者３９７万７１７２人　米ジョンズ・ホプキンス大　５日午後５時時点）

少なくともワクチンを１回接種した割合は、カナダがおよそ６９％、クウェートがおよそ６７％、日本はおよそ２５％、世界全体では２４％となっています。