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ハードル金井「決勝進出を成し遂げたい」

2021年7月4日 21:44
ハードル金井「決勝進出を成し遂げたい」

陸上・男子110mハードルの前日本記録保持者で、東京五輪代表に内定している金井大旺選手(25・ミズノ)が4日、母校の法政大学で練習を公開しました。

この日はあいにくの雨でしたが、スタート練習や、短い距離の走り込みなどをおこない、国内のトップ選手や後輩たちとともに汗を流しました。金井選手が専門とする110mハードルは、かつて「世界から一番遠い」とも言われた種目ですが、近年日本人選手は目覚ましい躍進をみせています。

2018年に金井選手が14年ぶりに日本記録(13秒36)を更新。2019年には、高山峻野選手と泉谷駿介選手がその記録に並ぶと、さらに高山選手が13秒30、13秒25と記録を塗り替えました。

今年4月には、金井選手が13秒16と、再び日本記録を奪還。すると、先月の日本選手権で泉谷選手が今季世界3位となる13秒06という衝撃の日本新記録を打ち立てました。

この日の練習後、取材に応じた金井選手は、「代表に入ることが最低限の目標だったので、まずはスタートラインに立てた安心感と、(日本選手権で)泉谷くんに負けてしまったので、その悔しさがかなりある。記録的にも必ず超えようという強い気持ちで練習を再開したところ」と思いを語りました。

そんな金井選手の強みは、鋭いスタート。金井選手を指導する苅部俊二さんは、「(スタートの)反応がすごく速い。常識を超えた反応速度を持っている可能性がある。非常に高い瞬発性、反射能力を持っている選手だと思う」と絶賛。一方で、そのスタートへの素早い反応が裏目に出た経験も。

2019年の日本選手権ではフライングで準決勝敗退という苦い経験をしています。そこで今シーズン取り組んでいるのがあえて“遅く出る”こと。金井選手は「“フライングをしない”というのを徹底してスタート練習をやっている。腰が確実に止まってから出ないと反応してしまうので、しっかり徹底して」と話します。さらに「今年試合に出てきて、(スタートを)遅く出ても、相手より前に出れるということがわかったので、スタートはかなり気持ちに余裕をもって出ても、自分の強みをいかせるなと気づいた」と手応えを口にしました。

東京五輪後は、競技を引退。歯科医として働く父のあとを継ぐため、医療の道へと進むことを表明しています。金井選手は、「五輪は最初で最後の挑戦と決めているので、自分の目標である決勝進出に向けて、自分にできる限りのことを残りの1か月間でやって、目標に向けて頑張りたいと思っています」「誰も成し遂げたことがない決勝進出という高い目標、必ず自分が最初に成し遂げたいという気持ちが強くあります」と力強く語りました。