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香港“次の標的”言論を封じられる恐怖語る

2021年6月30日 18:24
香港“次の標的”言論を封じられる恐怖語る

香港で反政府行為などを取り締まる国家安全維持法が施行されてから1年を迎え、多くの逮捕者が出ています。この法律によって当局がメディアへの圧力を強める中、次の標的とみられる新聞の編集幹部が、言論を封じ込められる恐怖を語りました。

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香港は今、来月1日の中国共産党創立100周年や、香港返還24年の記念日を祝う飾りつけであふれています。しかし、ちょうど1年前、香港では反政府行為を取り締まる国家安全維持法が施行され、この法律に反したとしてこれまでに117人が逮捕されました。

中国政府に批判的な論調の新聞「リンゴ日報」も創業者が逮捕され、先週、発行停止に追い込まれました。

中国政府に批判的な論調「立場新聞」編集幹部「リンゴ日報の記者はオフィスから排除され、警察が、パソコンの中(の取材資料)も調べました。この先、危険のある人は、もう、メディアのインタビューに応えなくなるでしょう」

次の標的とみられている「立場新聞」の編集幹部の一人は、こう語りました。リンゴ日報と同じく、中国政府に批判的なメディアです。国家安全維持法違反に問われるのを恐れ、政府を批判する論評記事などを削除せざるを得ない状況に追い込まれています。

中国政府に批判的な論調「立場新聞」編集幹部「(デモ隊のスローガンなどを)報道したら法律違反になるのか分からない。ある日突然、警察が会社に捜索に来て、初めて違法だと分かります。メディアは今どうしたらいいか、分からない状況なんです」

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香港の民主派は来月1日の記念日に抗議デモを申請しましたが、認められていません。この1年間で香港は、中国や香港政府への批判が許されない社会へと変化しています。