観客上限1万人決定…宿泊施設も対応追われ
焦点となっていた東京オリンピックの観客の上限が、発表されました。東京オリンピックの観客について、さきほど行われた5者協議で、会場の収容人数の50%以内で1万人を上限とすることを決定しました。
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21日午後5時半ごろ、大会組織委員会・橋本会長は「最重要課題であった観客数等の方針について、協議を致しまして、合意をしてくださいました。全ての会場において、観客数の上限を収容定員50%以内で1万人とする」と述べました。
IOC(=国際オリンピック委員会)、組織委員会、東京都など、それぞれのトップによって行われた5者協議では、焦点となっていた観客の上限について、全ての会場で収容定員の50%以内で1万人とすることで合意しました。
大会組織委員会・橋本会長は「観客上限が決まったことで、オリンピックについては、最後のピースがつまって、舞台の骨格が完成したと言えます」と言いました。
ただ、大会組織委員会・武藤事務総長は「大会関係者は、大会の運営関係者ということですので、観客ではありません」と述べ、収容定員50パーセント以内の観客に、大会関係者は含まれないということです。また、緊急事態宣言などが出された場合、再び5者協議を開いて無観客も含めた対応を検討する必要があるとしています。
菅総理からも、大会期間中に宣言が出された場合、無観客での開催も辞さない考えが示されました。
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競技会場周辺の宿泊施設も対応に追われています。
すでに、東京・江東区のホテル櫂会は、大会関係者の予約が半分ほど入っているといいます。残り半分の予約について、ホテル櫂会の営業部部長・多田敬一さんは「2パターンで販売の仕方をシミュレーションとして考えておりますので」と言い、無観客の場合は通常通り、宿泊客を受け入れる一方、有観客の場合は会場とホテルの“直行直帰”がしやすいよう、チケットを持っている客を優先的に受け入れるといいます。
ホテル櫂会の営業部部長・多田敬一さんは「(観客の判断について)今の状況の中ではやむを得ないのかなと。気を引き締めて受け入れしていきたい」と話していました。
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東京オリンピックの開会式までおよそ1か月です。
東京ドームおよそ9個分にあたる広大な選手村の内部も、公開されました。食事をするメインダイニングには、パーティションが設置されています。
外出を禁止される選手たちが、唯一“おもてなし”を受けられる憩いの場のビレッジプラザやジムはもちろん、サウナも完備されています。選手らがPCR検査などを受ける、発熱外来も設置されています。
過去11回もの滞在経験がある橋本会長も「過去のオリンピックには申し訳ありませんけれども、過去最高の選手村だと」と、お墨付きを与えました。
一部で批判の声が高まっていた酒の持ち込みについては、部屋での“一人飲み”は可能とし、公共スペースでの“宴会”は禁止するということです。
アスリートにも求められる、酒の自粛ですが、スポーツバーにとっては死活問題です。
渋谷のスポーツバー、スポーツバーフィールズの田中守店長は「やっぱりかなりつらいですね。(五輪は)起爆剤と思ってた。TV1台追加して」と、店内のテレビを追加で購入し、オリンピックを心待ちにしていたといいます。
しかし、都が主催するパブリックビューイング会場は、全て中止が発表されていて、スポーツバーなどでの観戦も自粛が呼びかけられています。
スポーツバーフィールズの田中守店長は「店としての売り上げを上げたいというのと、やはり感染拡大の一因になってしまうかもしれない。そこの葛藤ですよね」と話し、大会中は、都の要請に従って時短営業などを続ける予定だといいます。
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求められるのはやはり、“おうち観戦”です。
ビックカメラ池袋本店・テレビコーナー担当の小泉智美さんは「大型のテレビが非常に今売れてきていて、映像がきれいなもので見たいという方がほんとに多い」と話していました。50型以上の大型テレビが人気で、レコーダーの売れ行きも好調ということです。家族で観戦しようと、検討する人が多いといいます。
会社員(40代)は「(自宅で)ビールでも飲みながら、ゆっくり見ようと思う」と話していました。
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感染状況とにらみあいながらの大会となりそうです。