東京の新規感染者数は、先週半ばから減少幅が鈍化しています。一方で、大規模接種センターは、東京会場で７割以上の空き枠があります（１６日～２７日分、１５日午前１０時時点）。こうした中、１７日から６４歳以下の人たちにも接種を行うことになりました。この空き枠問題について、詳しく説明します。

　　　　◇◇◇

■都内で初“インド型”感染者が死亡

最初に、全国の新型コロナウイルスの新規感染者数は、１４日までの全国の感染者数のグラフを参照すると、この第４波は５月８日に７２３３人に達しピークとなりましたが、そこから急激に減少し、１４日は９３６人になりました。１０００人を下回り、３ケタになるのは３月２２日以来ということで、およそ３か月ぶりです。

東京の感染者も１４日は、２０９人でした。先週半ばから減少のスピードは落ちていて底打ち感も出ていますが、１４日は医療従事者の感染確認が、１人でした。医療従事者の感染数は、先月２０日以降減っていて、これは２月に始まったワクチン接種の効果とみられるということです。

一方で、少し心配な話もあります。１４日、東京でインド型変異ウイルスに感染した男性が亡くなっていたことが、わかりました。インド型の感染者で、死亡が確認されたのは、少なくとも都内では初めてのことです。

男性は５０代で、３日に感染が判明し、入院後、９日に亡くなりました。男性はがんを患っていましたが、死因は新型コロナウイルス感染症でした。都内で、インド型変異ウイルスの感染者は、この男性を含めて６６人になっています。

ワクチンはインド型にも効くのでしょうか。先日、横浜市立大学の研究でも、十分抗体ができるという報告もありました。打った方が予防効果は期待できると言えます。

■“空き枠問題”全国の６４歳以下に対象拡大へ

ワクチンを希望する人に１本でも早く、多くというのは変わりないですが、自衛隊が運営する大規模接種センターの空き枠問題があります。１７日から、接種券を持っている全国の６４歳以下に対象を拡大する方針であることがわかりました。

東京と大阪の大規模接種センターの予約状況は、依然として低調で、今月２７日までの予約枠に、１２万９１８人分の空きが出ています。

１５日、センターを訪れた人たちからは、以下のような声が聞かれました─。

埼玉から来た人「埼玉県です。地元が遅いから。（予約は）すぐとれた。（同居の）孫が、ちょっと病気があるのでできたら早く打ちたかったので」

千葉から来た人「千葉です。今もう（年齢が）上の人たちが全然予約とれなくて、７月の終わりとかで。（大規模センターは）もうがらがらで、どこでも好きな時間で好きなようにとれました」

■接種対象の拡大…どのように優先？

自衛隊の大規模接種センターですが、かなり早い段階から空き枠が出て、対象の拡大を繰り返してきました。こちら、オープンは、先月２４日です。当初は東京都の６５歳以上限定でしたが、４日後の２８日には予定を前倒しして埼玉、千葉、神奈川、１都３県の高齢者らに対象を拡大しました。

さらに、大量の空き枠が出たため、今月１０日からは地域制限を撤廃しました。全国６５歳以上が対象になりました。インターネットだけでなく、電話での予約受け付けも始めました。

ところが、それでも空き枠は埋まらず、１４日からは、余っている予約枠を自衛隊員、警察職員、消防職員、海上保安庁の職員に当てることが発表されました。

このような経緯がありましたが、１５日午前１０時現在、２７日までの空き枠が、東京会場で８万７０５０人分、大阪会場では３万３８６８人分あります。これは６５歳以上の方々が予約した分で、自衛隊員らが打つ分は含まれていませんが、合わせてまだ１２万人分の空き枠が残っているということです。

こうした中、防衛省は全国の１８歳から６４歳の人にも接種を行う方針を固めました。ただし、接種券を持っている人というのが条件です。厚労省は、自治体に今月中旬には接種券を発送するよう求めています。

東京では墨田区、中野区などですでに６４歳以下の接種券の発送が始まっていて、１５日からは江東区などでも、始まります。ただし、大規模接種センターで対象を広げるにあたっては、基礎疾患がある人や、高齢者施設で働く人が優先されるということです。

ただ、基礎疾患のある人や高齢者施設で働く人を、どのような方法で優先するのか、未発表でわかっていないです。優先するとして、そのやり方については課題が残ることになりそうです。

そして、気になる予約の方法ですが、１６日から予約開始し、１７日の枠から予約することができます。自治体から届いた接種券をお手元に、インターネットの予約サイトか、電話での予約（午前７時～午後９時）も受け付けています。インターネットの予約は、空き枠があれば、接種の前日の午後１１時５９分まで行うことが可能です。

　　　　◇◇◇

以前より自衛隊の大規模センターの空き枠は課題でしたし、多く余るのではないか、ということも指摘されていました。希望する人に１日も早く打ってもらうためにも、空き枠はムダにしないようにしていただきたいです。

（２０２１年６月１５日１６時ごろ放送　ｎｅｗｓ　ｅｖｅｒｙ．「ナゼナニっ？」より）