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ワクチン接種…岡山県「急上昇」3つのワケ

2021年6月8日 10:22
ワクチン接種…岡山県「急上昇」3つのワケ

新型コロナウイルスワクチンの高齢者の接種率で、岡山県が2位に急上昇しました。ネット予約には県内共通の独自システムを構築。ホームページ上で空き状況が一目で分かるようにし、移送センターの運営をプロに委託するなど、裏には3つの工夫がありました。


■31位「沖縄」まで…接種率2割超

新型コロナウイルスワクチンの都道府県別の接種率(高齢者、1回目)について、6日時点のランキングはどうでしょうか。4週連続の1位は35.82%の和歌山でした。2位の岡山(34.47%)、3位の佐賀(34.45%)と続き、8位の高知(30.04%)までが、高齢者の3割が1回目の接種を終えています。

緊急事態宣言が出ている地域では、15位の愛知(26.06%)、16位の京都(25.26%)、17位の東京(24.80%)と続き、20位の福岡(23.95%)は前週の26位よりランクを上げました。31位の沖縄(20.19%)までが、接種率2割を超えています。

前週に8.38%で最下位だった三重県は19.83%まで上がり、34位にランクアップしました。37位の大阪(19.17%)、40位の広島(17.83%)と続き、46位は北海道(15.24%)、47位は栃木(14.01%)です。


■独自システム構築 「空き」一覧HP

有働キャスター
「毎週このランキングを見ているので分かるのですが、岡山の伸びがすごいですね」

小野高弘・日本テレビ解説委員
「5月16日時点では46位、5月23日では16位、5月31日では5位、今回は2位です。岡山の何がこれほどすごいのか―。思わず『いいね!』したくなるようなアイデアが、3つあります」

「1つ目は、『県内どこでも接種』。自分が住んでいる市町村だけではなくて、県内どこに行っても接種できます。そのため県内共通のネット予約システムを独自に編み出しました。2回分の予約を1度にできます」

有働
「『これが一番ほしい』というものを独自で作り出したんですか」

小野委員
「2つ目は、『空き状況が見える』。岡山市のホームページを見てみると、予約枠で空きのある医療機関の住所と予約方法、電話番号が一覧になっていて、いつだったらそこでワクチンを打てるか、という空き状況を一目で分かるようにしています」

「岡山市は個別接種に力を入れています。集団接種だと人手がかかりますので。だからこそ、協力している病院や診療所などが接種をスピードアップできるようにと、このシステムを考えたのだそうです」


■配送のプロに委託 次の「一手」も

「3つ目は『スムーズ配送』です。個別接種に力を入れる以上、各診療所などにはワクチンを確実に届けたいので、ワクチンの配送を一元管理する移送センターを設け、運用を佐川急便に委託しました」

有働
「確かに、配送のプロですから効率も良いですよね」

小野
「安心感もありますからね。岡山市では、その先のことも考えています。高齢者が完了したら、その次は基礎疾患のある方や60~64歳らに優先接種を考えています。その後一般の人への接種が始まりますが、予約の電話が殺到してしまうことが考えられます。ですので、そうならないように、予約開始日を年代ごとにずらしていくアイデアを考えています」

有働
「利用者の立場にどこまでも立っているわけですね。いろんな自治体が、お金と人が限られる中、最大限工夫してやっていらっしゃると思います。こうやって生まれてきたアイデアを、今回限りにせず、将来に向けて共有していってほしいと思います」

(6月7日『news zero』より)