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石原さとみ「泣きそうなくらい好き」なこと

2021年6月3日 17:51
石原さとみ「泣きそうなくらい好き」なこと

石原さとみさんが、5月29日、さいたま市・彩の国さいたま芸術劇場で行われたシェイクスピアの舞台『終わりよければすべてよし』で千秋楽を迎えました。news every.では、5月12日の初日公演を控えた石原さんにインタビュー。放送では入りきらなかったエピソードもお届けします。

舞台『終わりよければすべてよし』は、孤児の侍女ヘレンが養育先の家の伯爵バートラムに恋をする物語。身分の違いを乗り越えて一途な恋を成就させようとする姿が描かれています。石原さんはヘレンを演じ、バートラム役を藤原竜也さんが務めました。演出は、フランス王を演じる吉田鋼太郎さんです。6月に地方公演も行われる予定です。

最初に、公演に臨む心境を聞くと「怖いですね、ちょっと。緊張します、自分が想像している以上に。(ヘレンは)すごく楽しい役だからこそ、(舞台上で)楽しみたいんですよね。でもこれが本番になると、今の感情みたいに緊張で震えています」と、正直な気持ちを答えてくれました。


■稽古場で見せた迫真の演技 その裏には…

4月、稽古場を訪れると、泣き崩れたり母性を感じさせる笑顔でほほえんだりするなど様々な表情で演技をする石原さんがいました。そんな石原さんの演技について、共演者たちも「引き込まれる」といいます。

「稽古大好きで、すっごい楽しくて。稽古何か月あってもいいから本番1日でもいいってくらい本当に稽古が好きすぎて、楽しくて仕方がなかったです。生きていく中でも一番刺激をもらえる、アドレナリンや幸せホルモンがいっぱい出る期間だなと思うくらい。本当にいっぱい刺激をいただきましたし、学んだし、いろんなことに挑戦させていただきました」

満面の笑みで語る石原さんに稽古が好きな理由を尋ねると、「稽古は特に(役者の)人間(性)が表れる感じがしますよね、すごく。本番は役柄のまま(作品を)お届けする感じですけど、稽古はいろいろな1人の人間のくせだったり、面白さ、ユーモアさ、根性、挑戦する勇気だったりとかがすごく分かる瞬間があったりする。人間好きとしては、いろんな人の感情の部分とか幅とか、その人の人間性がすごく見えるので、人として見ていても面白い」と、ほかの役者の演技を「見ているだけでも楽しい」と明かしました。

一方で稽古の休憩時間には、吉田さんや翻訳者の松岡和子さんたちとセリフのニュアンスについて何度も話し合い、自分の言葉にかみ砕く石原さんの姿も見られました。

ヘレンを演じる上で難しいことについて、「想像以上に意思が強かったです。意思も行動力も決断の早さも切り替えの速さも、異常なまでの前向きさも。こんなにもエネルギーに溢れている人だっていうのは、台本を読んだ時点では分からなくて。薄々は分かっていましたけど、もうちょっと謙虚さや可憐さがあるのかなと思ったんですけど、“本心はそうじゃないから!謙虚な部分も、テイでそのセリフを言っているけど、本心では何が何でも(フランス王の病気を)治してやるとか、何が何でも(バートラムとの結婚を)つかんでやるっていう精神の方が強く出てほしい”っていうのを(吉田さんに)言われて、“あっ、そっちか”と思いました。だから自分の感情のベースで想像以上に欲求(部分)を高めています。とても体力がいる役だなと思いました」と、毎日闘いながら役に向き合ったと語りました。