変異ウイルスの感染者が確認された中国・広東省で、ワクチン接種会場に人が殺到しました。ペルーでは、これまでに発表されていた死者の数を修正し、２倍以上だったことが判明しました。海外でのコロナをめぐる最新の動きです。

■中国　広東省でインド型変異ウイルス含む感染者確認、接種会場に人が殺到
（中国　感染者９万１１２２人　死者４６３６人　中国・衛生当日　１日）

これまで、新型コロナウイルスの感染をほぼ抑え込んでいたとされる中国。しかし、南部の広東省では先月末からの１０日間で、インド型変異ウイルスを含む感染者が５０人以上確認され、７つの地区が封鎖されました。

そのため、市民の危機感が急激に高まり、各地のワクチン接種会場に人が殺到。あまりに人が多く、後ろから押され、今にも倒れそうな危険な状況に。柵をよじ登っていく人の姿も見られます。

また、別の病院では、ワクチン接種を待つ市民が、殺気立ち、黒い服を着た警備員に殴りかかる様子も…。その後、警備員の制止を振り切って、病院の中へなだれ込んでいきました。

広東省広州市の衛生当局は、ワクチン接種会場で感染が拡大するおそれがあることから一般市民の接種を一時停止し、ＰＣＲ検査に全力を注ぐと発表しました。


■韓国　接種した人に制限緩和の動き、老人クラブでも
（韓国　感染者１４万０７９９人　死者１９６３人　韓国・保健当局　１日）

およそ１４万人が感染した韓国。

先月２７日にワクチン接種の対象年齢を「７５歳以上」から「６５歳以上」に引き下げる、など接種の動きが加速しています。

接種した人を対象に制限緩和の動きも…。ワクチンを１回接種して２週間以上経過した高齢者は、１日からお年寄りが集まる、いわゆる老人クラブへの参加が可能に。ソウルのクラブでは、ワクチンの接種証明書の確認や体温測定などを行っていました。

７９歳男性「約１年ぶりだと思います。とてもうれしい。早く収束してほしいです」
７８歳男性「（閉鎖中は）とても時間が長く感じられました」

接種を促進させるための、今回の措置。クラブ側は感染対策を徹底したということです。


■ペルー　累計の死者数を大幅修正、人口１０万人あたりの死者数が世界最多に

一方、南米のペルー。新型ウイルスによる累計の死者数について、これまでの発表では６万９３４２人としていましたが、その数を大幅に修正しました。

ペルー政府会見「新型ウイルスによる死者は、５月２２日時点で１８万０７６４人です」

死者数をこれまでの発表よりもおよそ２．６倍も多い「１８万０７６４人」に上方修正したのです。ペルー政府は修正の理由について、死因を判別できる検査が不足していたことなどを挙げています。

ロイター通信によりますと、今回の修正で人口１０万人あたりの死者数が５００人以上となり、世界最多となります。


■ドイツ　ワクチン接種進み、屋外のレジャー施設など徐々に再開
（ドイツ　感染者３６９万０２２１人　死者８万８６０１人　米ジョンズ・ホプキンス大　１日午後５時時点）

一方、３７０万人近くが感染したドイツでは。

晴れ渡る空の下、ビアガーデンには、飲食を楽しむ大勢の人の姿がありました。

ビアガーデンのオーナー「ここにいる誰もが幸せで、とてもリラックスしています。従業員も、再び働くことに満足しています。再開するのが待ちきれませんでした」

ドイツでは、１年以上、厳しい行動制限措置が断続的に取られてきましたが、ワクチン接種が進む中、屋外のレジャー施設なども徐々に再開。日常の光景を取り戻しつつあります。


■ロシア　舞踏会が２年ぶりに再開、若者１００組が参加
（ロシア　感染者５０８万１４１７人　死者１２万１８７３人　露コロナウイルス対策本部　１日）

また、５００万人以上が感染したロシアでは、去年は中止となった舞踏会が２年ぶりに再開。若者たちが、きらびやかな衣装を身にまとい、優雅な踊りを楽しみました。

ロイター通信によると、参加したのは１８歳から２６歳の男女のペア１００組。会場に入れるゲストは、１５００人までと入場制限を設けていて、全員、陰性証明書かワクチン接種証明書を提出する必要があったということです。

施設が再開される一方、ロシアは先月３０日、１万人近い新規感染者を確認。これは３月末以来最多の数だということです。