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苦境のキッチンカー…支援始めた自治体も

2021年6月1日 19:36
苦境のキッチンカー…支援始めた自治体も

感染拡大の影響で、飲食店の閉店や休業が相次ぐ中、キッチンカーも苦境に追い込まれています。そのキッチンカーの販売機会を増やすためにおこなわれていた、ある工夫とは?

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ランチタイム、働く人たちの強い味方。オフィス街に現れるキッチンカーです。

静岡県出身、懐石料理で腕を磨いた料理人がつくるカジキと国産シラスのお弁当など、その魅力は味だけでなく。

購入客
「(飲食店が)閉まっていたりするので」
「こういうところで買って自席で食べた方がいいかな」

“コロナ禍”で外食を控える人に便利なキッチンカー。ところが、その現状は…。

遠州乃風・安田浩章代表取締役
「リモートにより出勤されるサラリーマンの方が減っているので、売り上げも半減していますね」

オフィス街のお客さんが減少している上、自治体によっては感染対策上、出店場所を制限することも。イベントの中止なども相次ぎ、販売する場が減っているのです。

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千葉県船橋市にある着物などをレンタルするお店。冠婚葬祭や卒業式などの中止が相次いだため、少しでも売り上げを確保しようと、去年6月、ドリンク類を販売するキッチンカーをオープンしました。同月、キッチンカーなど小規模な事業が対象となる「補助金」を申請しましたが。

「とことこ」を営業する衣装レンタル フレンド・森雅美代表
「1年たっても振り込まれない、補助金をあてにしないでやるくらいの気概がないと」

書類の再提出など手続きが複雑で、申請から1年、いまだ入金の予定は立っていないといいます。飲食店同様に、深刻な苦境に追い込まれているキッチンカー。

支援へと乗り出した自治体が、千葉県我孫子市です。キッチンカーの販売機会を増やそうと、市内6か所の公園を開放。アルコール類は販売しないなど感染対策も行っています。

1日は、5台のキッチンカーが出店しましたが、その中には…。アンガス牛のグリルなど肉料理にこだわり、地元、我孫子市から出店するキッチンカーや。ポップな店構えのクレープのキッチンカーも。こちらは船橋市からの出店ですが、実はそこにはこんなワケが─。

船橋市から出店するデミノカフェ・近藤英美さん
「出店料がビックリするくらい安くて、とってもありがたいです」

市内からの出店は無料、市外からの出店も1日310円と、相場よりかなり安く出店できるといいます。売り場をなくしたキッチンカーはもちろんのこと、普段公園を利用する市民にとっても。

我孫子市民
「お昼ご飯で(買った)すごく便利ですね」

双方のメリットを目指し、去年10月にスタートした我孫子市のこの取り組み。

千葉・我孫子市 公園緑地課長・篠崎啓一さん
「かなり反響がありまして、隣の柏市さん、野田市さん、鎌ヶ谷市さん、市川市さんの方からも(キッチンカーが)お越しいただいている」

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市外からの出店も増えていて、市民の大事な憩いの場となっています。