中国の王毅外相は３０日、アイルランドの外相と会談し、協力強化をよびかけました。これに先立ち、ポーランドなど東欧諸国の外相らとも相次ぎ会談していて、アメリカとの対立が続く中、外交攻勢を活発化させています。

中国外務省によりますと、王毅外相は３０日、中国・貴州省で、アイルランドのコーブニー外相と会談し、科学技術や農業分野などでの協力について話し合いました。また、「中国とＥＵ（＝ヨーロッパ連合）は、ライバルではなく戦略的パートナーだ」と訴えました。

中国は、アイルランドやポーランドなど、ヨーロッパ４か国の外相を招いて相次いで会談を行っています。また、外交トップの楊潔チ政治局員も、２６日からスロベニアとクロアチアなど東欧諸国を歴訪しています。

中国は、新疆ウイグル自治区の人権問題などをめぐってＥＵとの関係が悪化。去年末に大筋合意していた投資協定についても、欧州議会が今月、承認手続きを凍結する決議を採択するなど、溝は一段と深まっています。

中国としては、経済協力などをテコに東欧諸国などをつなぎとめ、ＥＵとの関係改善の足がかりにする狙いもありそうです。