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「はだいろ」下着が「ベージュ」で再販売

2021年5月30日 12:07
「はだいろ」下着が「ベージュ」で再販売

■「はだいろ」下着が「ベージュ」で再販売

ファミリーマートは、「はだいろ」という表記で販売していた下着をいったん自主回収し、「ベージュ」という表記に改めて、再び販売します。


■「はだいろ」下着を自主回収

ファミリーマートは今年3月、プライベートブランドで発売したばかりの下着の一部を自主回収しました。ファミリーマートによりますと、問題となったのは、商品の色を説明するためパッケージに印刷されていた「はだいろ」という言葉。社員や加盟店から「表現が不適切だ」という声が相継いだため、回収を決めました。表記を「ベージュ」に変えて6月1日に販売を再開するとしています。


■「はだいろ」が消える背景

「はだいろ」という表現をめぐっては、「人の肌の色はベージュ」という固定観念を助長するとの指摘があり、これまでもさまざまな製品で表現の見直しが行われてきました。

文具業界では、トンボ鉛筆、サクラクレパス、三菱鉛筆の3社が2000年の生産分から色鉛筆などで使われていた「はだいろ」という表記を「うすだいだい」に変更。変更の理由について3社は、「人の肌の色への固定観念を与える可能性があるため」「人種差別につながる表現であるため」などと説明していました。

「人の肌の色はベージュ」といった、私たちが無意識に持つ偏ったイメージや固定観念は、「アンコンシャス・バイアス」と呼ばれ、社会が多様化するなかでしばしば問題になっています。


■「男らしさ」や「女らしさ」のイメージをイラストで解消

「男らしさ」や「女らしさ」といった性別についての固定観念も、「アンコンシャス・バイアス」の1つです。「男らしさ」や「女らしさ」のイメージにとらわれない、主体的で多様な選択を促している内閣府は、今月あるイラストをホームページで公開しました。

「パイロット」「保育士」などの職業で働く人を描いたものや、「皿洗い」「乳幼児の送迎」など生活のシーンを描いたものがあわせて40種類。それぞれに、男性と女性の2パターンが用意されています。

このイラストは、どのように活用されるのでしょうか?イラストをダウンロードした自治体のうち、千葉県の我孫子市に聞きました。

2006年から毎年6月を「男女共同参画月間」と定めて広報活動に力を入れているという我孫子市。今年は、市内の世帯や公共施設に配る広報誌で、性別にまつわる「アンコンシャス・バイアス」を紹介する特集を組もうとしていました。

そこで、このイラストにセリフを加えて掲載することを企画。男の子が男性保育士と手をつないでいるイラストに「先生みたいな優しい保育士になりたい」というセリフを加えるなど、検討しているということです。

我孫子市の担当者は、「『女らしい仕事・男らしい仕事という、大人の固定観念で子どもたちの可能性の芽を摘んではいけない』というメッセージを市民に届けたい」と話します。

固定観念、「アンコンシャス・バイアス」にとらわれず可能性を広く認識することは、働き方や生き方の選択肢を広げることにもつながるかもしれません。