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大規模接種2日目、深刻さ増す北海道では

2021年5月26日 1:35
大規模接種2日目、深刻さ増す北海道では

急がれる、ワクチン接種。国による大規模接種は、25日が2日目。会場前でzeroが出会ったのは、67歳の女性と、大学生の孫。次の日曜日に予約を入れているため、“下見”に来たといいます。

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見せてくれたのは、駅から会場に向かう道順を、孫が撮影した動画。接種当日はこの動画を参考に、夫婦だけで接種に行くということです。

一方、接種を終えた夫婦と、会場の中まで付き添った娘。

両親の付き添いできた娘(56)
「ワクチン打っていただきました。うれしくて本当によかったです」

持病がある母を心配していたといいます。

両親の付き添いできた娘(56)
「無事に接種していただいたとき本当にほっとして」

25日も東京の大規模接種会場では、大きな混乱もなく接種が行われました。ただ、副反応がみられた1人が、念のため病院に搬送されました。意識は、はっきりしているということです。

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こうした中、ワクチンの打ち手を拡大する動きも。政府は、新たに「救急救命士」と「臨床検査技師」についてワクチンを接種できるよう検討、また「薬剤師」については予診のサポートや接種後の経過観察への協力などを求めるとしています。

日本臨床衛生検査技師会・横地常広副会長
「次に選択されるのは臨床検査技師。なんとなく構えはしていました」

こう話すのは、PCR検査などを行う「臨床検査技師」の団体。国からの打診はまだないといいますが、ワクチンの打ち手になることは可能なのでしょうか?

日本臨床衛生検査技師会・横地常広副会長
「(臨床検査技師打ち手になれる?)血液を採取する行為は、日常業務で担ってきています。ただ筋肉注射となりますと、また別な行為ですので、研修用の場を作っていく」
「(検査業務がある中で関われる?)さらに担い手がほしいんだという行政の判断があるならば、真摯に前向きに取り組んでいく必要があるんじゃないか」

救急救命士の協会も「国難なので、我々の知識や技術が生かせる環境が整えば、ぜひ協力したい」と話しています。

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一方、神戸市では“ある理由”から215回分のワクチンを廃棄せざるを得ない事態に…。

“ハキ”と書かれた袋には、ワクチンの瓶が。23日、兵庫区役所の職員が、ワクチンが保管されている保冷庫の電源プラグが抜けているのを発見。予備があったため接種には影響はなかったといいますが、神戸市では、今月11日にも温度管理を誤り、ワクチン960回分を廃棄したばかりでした。

25日も459人の感染者が確認された北海道。札幌市の市立札幌病院では今月、病床を30床増やしたもののすでに満床状態に。

市立札幌病院・永坂敦病院理事
「コロナ以外の患者もいるので、そちらの命も守らないといけない」

現在は、一部をのぞき新規患者の受け入れも休止、一般診療にも影響が出ているといいます。

さらに、今月中旬は札幌のコロナ患者も受け入れていた旭川市の病院。しかし。

旭川赤十字病院・牧野憲一院長
「先週、急に(状況が)悪くなりました。今は逆に、ここ(旭川)からどこかに(患者を)送らなくてはいけない」

重症者病床はすでに満床で、通常のICUもすべてコロナ用に回さざるを得ないといいます。

旭川赤十字病院・牧野憲一院長
「(Q旭川の患者を受け入れられる場所ある?)ありません。(北海道で)ゆとりのある地域というのは、もうないんです。(だから)最終手段として、完全に通常診療に影響出るけどコロナ病床を増やすと」

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深刻さを増す北海道、医師が今伝えたいことは。

旭川赤十字病院・牧野憲一院長
「国民の多くがワクチンを打てば、次の波は来なくなります。だから終わりは見えているんです。人の移動も、楽しい宴会もあるでしょうけど、もうちょっと我慢してください。みんなワクチン打ち終わったらみんな楽になるから、もうちょっと頑張ってください」

(5月25日『news zero』より)