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楢崎智亜 五輪を語る「次に生きる」

2021年5月16日 21:49
楢崎智亜 五輪を語る「次に生きる」

クライミング東京五輪代表の楢崎智亜選手が16日、地元の栃木県宇都宮市で屋外で行われた特別講演会に参加しました。

このイベントは宇都宮の青年会議所が主催したもので、400人が集まりました。楢崎選手が会場に設置されたクライミングの壁で得意技のランジといわれる離れたホールドに飛び移る技を実演したときには会場から驚きの声があがりました。

講演会でゲンを担ぐための勝負飯はあるのかと聞かれると「必ず食べるものは作らない。海外にいると食べられない物もある。ゲン担ぎはしない。どんな状況でも同じ感覚で行けるっていう風にしている」と大会前の特別なルーティンはないと話しましたが、実はあることだけは必ず行っていると明かしました。

「大会前とか後は『自分会議』をする。自分が今したいことは何かとか、今の課題は何か、とか深掘っていくんですが、その中で、自分がコントロール出来ないものは受け入れるという風にしている。だから(新型)コロナで大会が延期になったとしても僕自身が全くコントロール出来ない部分だったので、そこを気にするのではなく、何が出来るかを考えるようにした」

東京五輪の開催についても“自分がコントロール出来ない部分”と位置づけ、「どうなったとしても今やっていることは次の五輪や次の世界選手権に生きると思うので、今は出来ることをやっています」と話し、IOCからワクチンが提供されることについては「父が医療関係者というのもあるので、高齢者の方だったり、そちらを優先した方がいいとは思う」と複雑な胸中を語りました。

一方、地元・栃木について聞かれると笑顔も見せた楢崎選手。

「栃木に来るといつも落ち着きますし、だいたい帰ってくると餃子を食べて、元気もらう」

実は栃木県は2020年の都道府県魅力度ランキングで初めて最下位に。栃木県をアピールするためにお気に入りの場所はあるかと聞かれると「駅前の餃子屋」と笑いを誘いながらも「大会で栃木県出身の僕が活躍して少しでも栃木県の知名度が上がったらいいなと思います」と述べました。

楢崎選手は今月末にアメリカで行われるワールドカップに出場する予定です。