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“宣言”延長の東京 酒の提供再開の店も

2021年5月14日 1:56
“宣言”延長の東京 酒の提供再開の店も

延長された緊急事態宣言下の東京。新宿の飲食店では酒を提供する様子が。要請には従えないといいます。酒の提供再開の理由は…。一方、専門家は「(感染者は)若い世代では、4月に飲酒を伴う懇親会に参加した割合が増えている」と指摘します。

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■「スタッフの生活を守る」罰則金を払ってでも営業続ける居酒屋

13日夜、新宿・歌舞伎町の飲食店。すると、酒を提供する様子が。ビールを注ぎ、次々と酒の注文が入ります。店内は、ほぼ満席。酒の提供が一切認められない中、感染対策をとったうえで、12日から朝5時までの通常営業を再開させました。これまでは、要請に従ってきたといいますが。

酒の提供を再開した飲食店社長「スタッフの生活を守るという意味で、要請には従えない。罰則金を払ってでも営業を続ける決断をしました。今どうするか、今を生き延びるには開けるということに尽きる」

開催中の「オクトーバーフェスト」。持ち帰り限定でアルコールを販売していますが。雨の影響もあって、客足が伸びず通常より30分早く閉めたといいます。

午後8時すぎ、都内を回ると。

日本テレビ・岩本乃蒼アナウンサー「渋谷の交差点は暗いんですが、センター街の方を見てみると、営業しているんでしょうか。明かりが目立ちます」

さらに。

岩本アナウンサー「新宿・歌舞伎町です。雨が降っているからでしょうか人の姿はまばらです。ただ、歌舞伎町の通りの中を見てみますと、少し明るい印象ですね」


■若い世代の感染者、4月に飲酒伴う懇親会に参加の割合増加か

延長された緊急事態宣言下で、引き続き求められる不要不急の外出自粛。13日、東京の新たな感染者は1010人。4日ぶりに1000人を超えました。30代以下が6割を占めています。20代男性は、ゴールデンウイーク中に友人4人と車で旅行。このうち本人含めて3人が感染したケースも。

亡くなった人は7人確認され、重症者は84人となっています。午後、都のモニタリング会議で指摘されたのは。

東京iCDC専門家ボード・賀来座長「若い世代では女性も含めて、4月に飲酒を伴う懇親会に参加した割合が増えている」

感染者2000人以上を対象にした都の調査によりますと、発症日の直前14日間で、いわゆる飲み会などに参加した人は15.5%。先月は、2月3月に比べて2倍近くに増加したといいます。

東京iCDC専門家ボード・賀来座長は「特に男性は20代から50代まで、10%から約2倍20%近くに増加しています。飲酒を伴う感染リスクに改めて注意していく必要がある」ということです。

先ほどの、酒を提供して営業を続ける店は。

酒の提供を再開した飲食店の社長「(飲み会などで感染増について)それこそご来店いただくお客さまの自己責任と判断で来店されていると思うし。守るべきものは家族である、仲間とスタッフとお客さんということで」

東京都・小池知事は「何よりも医療従事者の方々へのエールは、かからないこと、感染しないことになりますので、よろしくお願いします」と述べました。


■あと70日…東京五輪の感染リスク評価は

そして、あと70日ほどとなった東京オリンピック・パラリンピック。開催をめぐって、こんな発言が。

政府分科会・尾身会長「オリ・パラ期間中、どの程度医療に対して負荷がかかるか評価が極めて重要である」

政府分科会の尾身会長は、大会に参加する選手や会場内の感染リスクは、制御可能とする一方で、選手以外の大会関係者については「会場外での行動も多いと思われる」と指摘しました。

組織委員会の武藤事務総長によると、選手以外で来日する大会関係者が、当初試算していた18万人の半分以下になるという見通しだといいますが…。

政府分科会・尾身会長「会場外においては、開催に伴う人流や接触機会の増加が想定されるため、その感染リスクの評価が重要と思います」

立憲民主党・杉尾議員「開幕2か月前になって、(IOC(=国際オリンピック委員会)会長の)バッハさん1人も来られない状況で、選手・関係者も含めて数万人、来られると思いますか。できますか。丸川大臣どうですか」

丸川五輪相「このような状況下においても、世界さまざまな地域で競技大会が行われておりまして、ノウハウが蓄積されているものと思いましたので、こうした知見をしっかり生かしてまいりたいと思っております」

立憲民主党・杉尾議員「時間稼ぎはやめてください。板挟みになっているアスリートが、本当に気の毒だと思います」

西村経済再生相は「安全安心な大会になるように感染拡大を抑えていく、このことに全力を挙げていきたい」ということです。

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開催に向け、“安全安心な大会”を強調する政府。これに対し。

全国医師ユニオン・植山代表「安全安心という言葉は、軽々しく使うものではない。国民に対して自粛を求めて、オリンピックだけ例外です、ということはあり得ない」

医師でつくる労働組合は、「後に東京オリンピック型変異ウイルスと言われかねない」と危機感をあらわにし、開催中止を政府に求めました。

(5月13日放送『news zero』より)