×

「彩雲」空を彩る不思議な雲 見つけ方は?

2021年5月7日 21:11
「彩雲」空を彩る不思議な雲 見つけ方は?

こちらの写真は4月25日正午ごろ、埼玉県戸田市で撮影された「彩雲(さいうん)」の様子です。雲が淡く虹色に彩られる美しい光景ですが、皆さんも見つけたことがあるでしょうか。

この彩雲、珍しくてなかなか見ることができないと思われるかもしれませんが、実は、現れる条件を知っていれば日常的に見つけることができる現象です。


■なぜ雲が虹色に?

彩雲は、虹やハロなどに代表される、大気中の水滴などに光が反射するなどして起こる現象の一種です。光には、障害物にぶつかるとその後ろに回り込む性質があり、これを回折(かいせつ)というのですが、彩雲の場合は、太陽の光が雲の粒(水滴)を回折し、それらの光が干渉することによって起こっています。この光の回り込みは、波長が短い光ほど小さな角度で、波長が長い光ほど大きな角度で回り込みます。

このように、光の波長によって進行方向が変わるので、太陽の光のように様々な色を持った光が回折すると虹色に見えるのです。しかし、彩雲はどんな雲でも見られるわけではありません。

彩雲になりやすいのは巻積雲や高積雲、積雲などの雲です。そのふちのあたりの雲の粒は大きさが小さく、きれいに光が分かれて彩雲になりやすいのです。太陽の近くにこれらの雲があるときは、探してみると見つけられるかもしれません。


■探すときには注意を

ただし、彩雲を探すときは、太陽を直視しないように注意が必要です。太陽の近くの雲で見られる現象ですので、建物や木などの障害物で太陽を隠して探せば目を痛めることもないですし、まぶしさも抑えられ、見つけやすくなります。

季節や場所に関係なく、実は日常的に見つけることができる彩雲。「きょうは出ていないかな」と空を見上げて探してみるのもいいでしょう。