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緊急事態宣言で“人の流れ”減少も…

2021年5月6日 21:38
緊急事態宣言で“人の流れ”減少も…

6日に行われた東京都のモニタリング会議。緊急事態宣言で人の流れが抑えられたかが報告されました。

連休初日、5月1日午後の東京・銀座。横断歩道などを人が行き来しています。1回目の緊急事態宣言中だった去年のゴールデンウイークと比べると、今年は人出が増えていたことが分かります。

銀座では、今年、最大でおよそ3.1倍に人出が増加。新宿・歌舞伎町では、酒の提供が自粛要請されたためか、人出は少なく見えますが、去年の連休中と比べると、最大で2.4倍に増加していました。

去年の緊急事態宣言のときより、人出は抑制されていませんが、6日に開かれた東京都のモニタリング会議では…

東京都医学総合研究所 西田淳志センター長
「都内の主要繁華街の夜間滞留人口、ならびに昼間の滞留人口も大幅に減少し、緊急事態宣言直前の週と比べますと、約40%も人流が抑制されました」

東京の繁華街の人出は、先月、まん延防止措置から緊急事態宣言に移行したあと、日中、夜間ともに大きく減少。今月1日の連休以降は、さらに大きく減少していました。

去年の連休中よりは多かったものの、人流が抑制されたと評価しました。しかし…

東京都医学総合研究所 西田淳志センター長
「大阪は人流が減少に転じて、すでに5週も経過し、さらにここまで人流を下げてきているわけですが、いまだに新規感染者数がはっきりと減少に転じていません」

これまでは、人出を抑えてからおよそ3週間で感染者数の減少がみられました。しかし、今回大阪では、5週連続で人出が減り続けているものの、感染者は1000人前後で、いまだに減少していません。

専門家は、変異ウイルスの影響で、人出を抑えてもまだ効果が出ていないと分析しています。

東京の人出が減り始めたのは2週間前、緊急事態宣言の開始ごろ。今後、大阪と同じように感染者数が下がらない状況になることを、専門家は警戒しているのです。

都内の病院でも、変異ウイルスへの危機感が…

東京曳舟病院 三浦邦久副院長
「発熱者が増えているなと思っています。通常のときの外来と比べて、発熱者の方が多く来られていますので」

連休中、発熱で来る患者が増加したといいます。

東京曳舟病院 三浦邦久副院長
「我々のところも5月2日にも完全に(コロナ病床が)満床になりました。いま、誰しもすぐに入れるわけじゃないですし、大阪の例を見ても分かるように、そういった救急ではなく、本当に災害モードに入っているんだよっていうことを我々は常に思ってやっています」

都内の保健所からも変異ウイルスへの警戒の声があがっています。

墨田区保健所 西塚至所長
「『N501Y』の検査を行っていますけども、やはり陽性になることが増えています。クラスターにならないように、拡大しないように、この休日、祝日中も抑え込みはしていました」

6日午後3時から始まった感染分析をする厚労省の専門家会議。緊急事態宣言について、専門家メンバーからは…

「緊急事態宣言の効果は来週にならないと分からない」

「変異ウイルスで、これまでの分析の仕方が通用しなくなっている。人流が減少したからといって、すぐに解除すれば、簡単にリバウンドする」

専門家は、高齢者のワクチン接種が進むまでのいまが、正念場だとしています。