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陸上・伊藤 五輪へ「目標は入賞」会見全文

2021年5月4日 22:05
陸上・伊藤 五輪へ「目標は入賞」会見全文

3日に行われた陸上の日本選手権男子10000m(静岡スタジアム)を制し、東京五輪代表に内定した伊藤達彦選手(23)が静岡・掛川市内で一夜明け会見に臨みました。

■初五輪代表「興奮して寝られなかった」

――日本代表に内定した感想と東京五輪への意気込み

コロナ禍の中で、大会を運営してくださった大会関係者の方々に本当に感謝したいと思います。

1月のニューイヤー駅伝で大腿骨の疲労骨折をして一時は諦めかけていましたが、いろんな方々のサポートや応援のおかげで優勝をもぎとることができ、東京五輪の内定を決めることができて、とてもうれしく思います。東京五輪では10000mで入賞できるように頑張りたいと思います。

――3日のレースを振り返って何点の走り?その理由

100点ですね。目標としていた優勝して内定ができたので、3日の走りは100点かなと思います。

――ジャパンのユニホームを着た感想。昨晩は眠れたか?

ジャパンのユニホームを着るのはユニバーシアードから2回目なのでとてもうれしく思いますし、日本代表になることは自分にとって目標だったのでとてもうれしく思います。

昨晩はとても興奮してしまって寝られなかったので、この会見も緊張しているんですけど、この緊張感も日本代表じゃないと味わえないと思うのでたっぷり味わっていきたいと思います。

――代表選考レースが伊藤選手の地元・静岡で行われたこと、内定を決めたことについてはどう感じているか

地元で大会が開催されたのはうれしい半面、とてもプレッシャーを感じていました。結果的に優勝して内定を決めることができたので、地元の両親や友達が応援に来てくれたので、勝つ姿を見せられてよかったなと思います。

五輪も地元の友達や両親が見に来ると思うので、静岡で与えた感動よりも大きなものを与えられるように頑張りたいと思います。

――コロナ禍を振り返って

コロナ禍ということで練習環境もかわって、普段だったらトラックも頻繁に使うんですけど、そういうのも使えない時期もあって、不整地の芝生を走ったりだとか、山とかそういうのを使って、逆に今までしてこなかったことをすることで力がつきました。

――大学4年の経験はどう生きている?

大学4年間を通して大志田さん(東京国際大時代の恩師)の指導や練習環境が整っていたので、駅伝など力になる練習ができたと思います。

――6月の日本選手権で5000mに出場するか

自分は10000m一つに絞っているので狙っていません。

■五輪で「無名選手」でもチャンスがあると証明したい

――高校時代は目立たなかったが、そこから五輪内定はイメージ通りか苦しさもあったのか?

高校時代は、正直五輪は目指していなかったというか、全く意識していなかったので。高校時代から考えたら今の成長は驚きでいっぱいです。ここまで成長できたのも、いろんな方のサポートやコーチングで支えられて成長できたと思うので、感謝したいと思います。

――いつから五輪を目指した?

転機は元々五輪を狙うとしたらパリからだと思っていたので、東京が延期になって、10000mの選考が延期になったタイミングで狙っていこうと思いました。

――五輪と聞いて子供時代に印象深い選手や出来事は何?

本大会で子供たちにどんな姿を見せたいか、正直幼いころから五輪にあこがれていたとか、スポーツ関連でここまでやっていくとは思っていなかったので、思い出深いことないんですけど、最近の出来事だとライバルである相澤選手が先に(10000mの)東京五輪代表内定を決めたので、自分も絶対内定を決めて五輪の舞台で勝負してやろうと思っていました。

東京五輪では自分のような無名選手でもチャンスがあるってことを持ち前のがむしゃらな走りで証明していきたいです。

――本番では自分らしい走りをするのが一番の目標だと思うが、伊藤選手にとって自分らしい走りとは

持ち前の粘り強さで絶対に諦めない走りができればいいと思いますし、世界で日本人はトラックでかなわないと思われているので、それを覆すような走りをしたいです。

――五輪へ向けた強化のポイントや課題

東京五輪は世界レベルのレースになる。今回世界選手権にいたペースメーカーもいないので、レース展開がかなり上下する。外国人と練習しながらペースをあげさげできるような対応をしていけたらと思います。

■五輪でライバル・相澤晃選手と「ランニングデート」

――ライバルの相澤晃選手から祝福はあったか

3日、相澤君からLINEが来て「おめでとう。これで一緒に走れるね」と、あとは「また飯でも行こうよ」と言われました。

――相澤選手と2人で並んで走る様子は「ランニングデート」とネットでいわれているが?

ランニングデートと呼ばれているのは、うれしいというか面白いので自分は気にしていない。そういうことをいってくれる人が陸上界を盛り上げてくれるのかな。

写真提供:日本陸上競技連盟