ワクチン接種が進むアメリカのニューヨークは、７月１日に経済活動を完全に再開するとの目標を打ち出しました。一方、中国では、５月１日から始まる大型連休中に、感染拡大前の水準となるのべ２億６５００万人が移動すると予想されています。海外でのコロナをめぐる最新の動きです。

■アメリカ

世界最多の３２２８万人以上が感染したアメリカ。（感染者　３２２８万９２５５人　死者　５７万５１９４人　米ジョンズ・ホプキンス大　３０日午後５時時点）

感染が急拡大し、一時は「感染の中心地」とまで言われたニューヨークで２９日、大きな発表がありました。

ニューヨーク市　デブラシオ市長
「今日は良い知らせがある。目標は７月１日。我々はニューヨーク市を７月１日に完全に再開させる準備ができている」

ニューヨーク市のデブラシオ市長は、ワクチンの普及が進んだことを理由に、飲食店やスタジアム、美容院など市内の経済活動を７月１日に完全に再開させるとの目標を打ち出したのです。

さらに、経済活動の再開について決定を下す立場のクオモ州知事は、「やるべきことをやればもっと早く再開できる」との見方を示しています。

去年３月から１年以上にわたって続いてきた飲食店などへの制限措置。ニューヨークのレストランでは現在、入店できる人数の上限が設けられています。２９日に発表されたのは、７月１日にこうした目標を撤廃して、コロナ以前の状態に戻すというものです。

日本食レストランの受け止めは…

レストラン日本　馬越恭弘副社長
「本当に長かったです。いま５０％（の入店可能人数）が１００％になって、売り上げがそれにつれて回復していくことを願っています」

一方で、欠かせないのが、まだワクチンを打っていない人たちへの対応です。健康問題を調査する非営利団体によりますと、接種に否定的だったり、ためらっている人が３７％に上っています。

こうした中、ニューヨークでは、予約なしで誰もがワクチンの接種を受けられるようになりました。（２９日から）

飛び込みで接種した人
「誰にとっても便利になったと思います」

■中国

一方、９万人以上が感染した中国。（感染者　９万０６５５人　死者　４６３６人　中国・衛生当局　３０日発表）

５月１日から５日間の大型連休が始まります。

記者
「高速鉄道の駅に来ています。旅行や帰省のための客が多く集まっていて、通り抜けできないほどになっています」

大型連休の前日、多くの人で北京の駅はごった返していました。

旅行客
「新型コロナの予防とコントロールについて、中国はよくできています。海外も早く元に戻ることを願います」

一方、地方から北京に旅行に来る人たちもいます。

記者
「こちら世界遺産の故宮ですが、連休の前日からこの人出となっています。連休中のチケットはすべて完売したということです」

このためネット上では、普段の入場料の２０倍以上の価格でチケットが出回る事態も…

地方から北京に来た男性
「（中国の）今の状況はしっかりコロナが抑えられているから心配していません。日本も早く良くなってほしいですね」

中国では５連休中におよそ２億６５００万人が移動し、新型コロナウイルスの感染拡大前の水準に戻る見込みです。

■インド

世界で２番目に多い１８７６万人以上が感染し、死者は２０万人を超えているインド。（感染者　１８７６万２９７６人　死者　２０万８３３０人　インド保健当局　３０日発表）

３０日に発表された新規感染者は３８万６４５２人と過去最多を更新。１日あたりの死者は３４９８人と、依然、高い水準が続いています。

こうした中、デリーの警察がＳＮＳに投稿したのは、新型コロナウイルスの治療薬「レムデシビル」の偽物が製造されていた現場です。地元メディアによりますと、デリー警察は２９日、偽のレムデシビルを大量に製造した容疑で５人を逮捕。容疑者らはすでに、２０００本以上を販売したということです。

■韓国

１２万人以上が感染した韓国。（感染者　１２万２００７人　死者　１８２８人　韓国・保健当局　３０日）

２９日から、一部の薬局で新型コロナの簡易検査キットの販売が始まりました。

記者
「ソウルの一般的な薬局です。マスクコーナーの一角にありました。こちらが販売が開始された検査キットです」

このキットは、医師などの手を借りずに自分でできる抗原検査で、値段は１回分で７００円ほど。

早速、記者も試してみました。まずは、説明に従い検体を採取。薬液と混ぜてたらすと１５分ほどで結果を確認することができるといいます。

記者
「私は線が１本でした。ですので陰性判定ということになります」

今回、この簡易検査キットを認可した韓国の医薬品管理部門は、既存のＰＣＲ検査よりも精度が低いと指摘。あくまでも補助的なものだとしています。