×

新たな変異株が日本に 大阪“待機所”設置

2021年4月23日 0:56

2つの変異ウイルスの特徴をあわせ持つ、「二重変異ウイルス」が日本国内でも確認されました。病床のひっ迫が深刻な状況になっている大阪では、ベッド8床と酸素吸入装置が備えられた「入院患者待機ステーション」が設置されました。

東京で「N501Y」変異ウイルスの感染が過去最多となるなか、新たな変異ウイルスが。

加藤官房長官「我が国ではこのインドで確認された変異株B1617が、計5件確認されている」

インドでは2つの変異ウイルスの特徴をあわせ持つ、いわゆる「二重変異ウイルス」が広がるなどして、先月から急激に感染が拡大。このウイルスが日本国内で5件、確認されたということです。

一方、緊急事態宣言が発出される関西3府県。

大阪府・吉村知事「今回のまん延防止措置は前回の緊急事態宣言と同じ措置をとっているので、それと同じでは全く意味がないと思っています。大型の百貨店であったり、ショッピングセンター、地下街、テーマパーク、さまざまな人の動きを大きく止めることが必要ではないか」

兵庫県の井戸知事は、「大阪と兵庫は足並みをそろえて対策をしなくてはならない」と述べました。緊急事態宣言の発出に、京都の観光地からは戸惑いの声が。

京都府・嵐山商店街会長「人の流動を止められるということは、生命線を止められるということになる」

また、重症病床の使用率が100%と、病床のひっ迫が深刻な状況になっている大阪。今、若い世代で重症化する患者が増えているといいます。

ECMOnet代表 かわぐち心臓呼吸器病院・竹田晋浩院長「(関西で流行している)イギリス型の変異株は若年齢化が起きている。これまでは30代とか40代で人工呼吸やECMOになる方はまれだった。30・40・50歳代が半分くらいはしめるようになった」

関西でECMOを装着する重症患者の年齢の中央値を、今年2月までと比べると、先月以降、14歳低くなっているといいます。

竹田晋浩院長「(Q『若いから』というのは通用しない状況になっている?)決して甘く見ない方がいいと思います。いわゆる現役でばりばり働いている方でも命を落とす可能性がある」

さらに、大阪では入院やホテル療養を待つ人が、2900人以上にのぼり、今月、自宅療養や待機中に9人が死亡しています。現在自宅療養中の女性は。

大阪府で自宅療養中の女性「息子が陽性になって軽症ということで、ホテルに行くのを待って『自宅で待機してください』と」

息子の感染が判明後、ホテル療養できるまでに1週間かかり、その間に家族への感染が広がったといいます。女性の夫は毎日40度近い高熱が続き、1週間後には血液中の酸素の値が病院への搬送を検討すべき基準にまで低下しましたが…。

大阪府で自宅療養中の女性「『意識ありますか?』と(保健所から)言われて、顔が真っ赤で話はできるけど、ちょっともうろうとしていますと言ったけど、『受け答えができて意識があるんだったら、解熱剤飲んで様子見てください』って」

結局、病院に搬送されたのは翌日。すでに肺が真っ白になっていて、退院のメドは立っていないといいます。

こうした状況を受け、大阪府はベッド8床と酸素吸入装置が備えられた「入院患者待機ステーション」を設置。救急救命士が常駐する予定です。

22日の全国の感染者は5482人。奈良や三重など4県で過去最多を更新しました。また、政府は愛媛県に「まん延防止等重点措置」を新たに適用するほか、宮城県と沖縄県については期限を延長する方針です。