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3回目の“宣言”へ 生活どう変わる?

2021年4月21日 20:38
3回目の“宣言”へ 生活どう変わる?

政府は、新型コロナウイルス感染拡大にともない、3回目の「緊急事態宣言」を発出する方針を固めました。私たちの生活がどう変わるのか、詳しく解説します。

■東京で一日の感染者800人超に…約3か月ぶり

21日、東京では新たに843人の新型コロナウイルスへの感染が確認されました。一日の感染者が800人を超えるのは1月29日以来で、約3か月ぶりです。


■大阪に宣言発出の方針固める 東京と兵庫も調整

政府は、緊急事態宣言を大阪に発出する方針を固めましたが、東京と兵庫に対しても発出する方向で調整しています。政府関係者は、「タイミングが間に合うのであれば一緒に発出した方がいい」と話しています。

21日、兵庫では過去最多の563人の感染が確認されました。さらに、21日午後、京都も政府に宣言の発出を要請する方針であることが分かりました。

■大阪・兵庫・東京の感染状況

3都府県の感染状況を見てみると、緊急事態宣言が出される目安とされるのがステージ4相当ですが、大阪も兵庫も「病床使用率」や「10万人あたりの療養者数」などでステージ4相当が並んでいます。入院が必要な患者がどれだけ入院中かを示す「入院率」もステージ4相当です。大阪では12%しか入院できていない状況です。

東京は、医療のひっ迫はまだステージ3相当ですが、「10万人あたりの療養者数」や「新規陽性者数」はすでにステージ4相当になっています。

■飲食店で酒はNGか? 緊急事態宣言の内容は

菅総理は21日、大阪への宣言発出について次のように述べました。

「(現在の感染状況は)強い危機感を持って対応すべき状況にあると認識をいたしております。また、大阪府から緊急事態宣言の要請がなされており、状況を精査し、対策の中身も早急に検討して判断をしてまいります」

ゴールデンウイークも控える中、3回目の宣言が出たらどのような生活になるのか、政府は、休業要請をする対象や、具体策の調整を進めています。

東京都の小池知事は、緊急事態宣言は早期に行う必要があり、期間は3週間程度が望ましい、特に4月29日~5月9日までのゴールデンウイークは人の移動が多くなることから徹底的に人流を抑え込み、感染者を減らすことが必要だと考えているということです。

具体的な中身については、「昼カラ」によるクラスターが相次いだカラオケ店などの遊興施設や、生活必需品を除く商業施設などへの休業要請も考えていて、政府に提案しています。飲食店には引き続き時短営業を要請する考えです。

一方、大阪府は、飲食店への措置として次の3つの案を国と調整しています。

(1)『すべて』の飲食店の休業
(2)『土日祝日』は休業し、平日は午後8時までの時短営業で、酒の提供を『自粛』
(3)休業要請をせずに酒の提供は『自粛』

吉村知事は、2つめの案をもとに国と協議をすると話しているそうです。

いずれの案でも、飲食店でのお酒を自粛して下さいという内容ですが、東京・兵庫・京都でもこういった検討がされているのかは分かっていません。

20日の厚生労働省の専門家会議では、「今の状況を改善するために国民に分かりやすいメッセージを出さなければいけない」とした上で、「イメージは去年の4月~5月に国民の皆さんが過ごされたのと同じことを目指していただきたい」という意見が出たといいます。

1年前に1回目の緊急事態宣言が出されたとき、人との接触8割減を目指して、渋谷の街にはほとんど人がいませんでした。しかし現在、21日午後3時ごろの映像を見ると、比較にならないほど多くの人が行き交っています。

1年前並の自粛が必要だと専門家は提案しています。

■懸念は東京の夜の人出…減り具合が遅い

これまでも私たちはステイホームを意識し、街の人出を減らして感染者数を減らしてきました。そのことは、「繁華街の夜間の人出」と「感染者数の推移」を比較した東京都医学総合研究所の西田淳志さんの分析にも現れています。

東京では、1回目の宣言の時だけでなく、2回目の宣言でも街の人出をぐっと減らし、その後、感染者数もぐっと減りました。2回目の宣言は繰り返し延長されましたが、西田さんは「意味がなかったとの声もあるが、夜の人出を抑えたので無駄ではなかったのではないか」と話していました。大阪でも、宣言が出て人出が減り、感染者数を減らしてきました。

今月5日にまん延防止等重点措置が出された後も夜間の人出はぐっと減ってきました。ただ、専門家たちが懸念しているのは、東京の夜の人出の減り具合がゆるやかな点です。東京にはまん延防止措置が12日に出ましたが、大阪よりも人流の下がり具合が遅いと懸念しています。宣言が出されて1回目、2回目のときのように、人出を減らさなければなりません。いかに危機感を共有するかが大事なポイントです。

専門家によりますと、いまクラスターが起きている場所は夜の飲食店に限られておらず、職場や部活、サークル活動などで、幅広く対策をする必要があるということです。集まらなくてもいいこと、移動しなくてもできることは何かを考えて、人との接触を減らしていくことが求められています。

(2021年4月21日16時ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より)