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星出さん「3回目の宇宙」にかける思い

2021年4月21日 20:31
星出さん「3回目の宇宙」にかける思い

まもなく3度目の宇宙へと飛び立つJAXA宇宙飛行士、星出彰彦さん。今回は国際宇宙ステーション(ISS)の船長を務める予定にもなっている。船長としての抱負や心構えについて、元ラグビー日本代表キャプテンの廣瀬俊朗さんとともに、宇宙キャスター榎本麗美が話を聞いた。(中編から続く)

――星出さんは今回が3度目の宇宙です。スペースシャトル、ソユーズ、そして今回のクルードラゴンと毎回異なる宇宙船となりますが、出発前の今のお気持ちは?

【星出さん】
打上げが近づき、訓練はひととおり終了し、打上げに向けた準備を行っています。過去2回行ったISSに戻れることにワクワクしています。また、新しい宇宙船に搭乗するので、過去2回の宇宙船と比較して、実際に搭乗してどのような体験ができるか非常に楽しみです。加えて、私にとっては、クルーと地上の多くの方々と楽しく仕事ができることが、仕事をしている醍醐味のひとつだと思っており、とても楽しみにしています。

――また、船長を務められるという大仕事もありますね。

【星出さん】
しっかり任務を果たしたいと思います。私や若田飛行士がISSの船長に就任するということは、ISSの活動に対する日本の宇宙開発の貢献が認められた結果だと思っています。国際宇宙ステーション計画に参加している国々が、将来の月や火星の探査計画にも参加しくことになると思いますので、将来につなげられるようにがんばってきたいと思います。

――廣瀬さん、星出さんが船長に選ばれたというのは、日本としては誇りですね。

【廣瀬さん】
そうですね。日本としても誇りですし、同じラグビー仲間として僕はますます応援したいなという気持ちになっています。

――そうですね。また、星出さん、ISSに着いたら野口さんとお会いすることになるわけですが、どんな言葉を交わそうと思っていらっしゃいますか?

【星出さん】
まだ会うことが確定はしていないですが、実際に軌道上で会うとなると、地上で最後に会ったのがちょうど野口飛行士が打上げのためにヒューストンからケネディ宇宙センターに移動するときに見送った以来なので、久しぶりに直に会えるのを楽しみにしています。今も地上で管制官としての業務を行うときは交信しており、ざっくばらんに軌道上の様子を聞いたりしています。いろいろ話ができるのを楽しみにしています。

――私たちも、その様子を中継など見ることをすごく楽しみにしています。廣瀬さんから星出さんに何か質問などありますか?

【廣瀬さん】
宇宙の生活で一番、楽しみにしていることはなんですか?

【星出さん】
窓から見る地球です。前回もそうでしたが、たとえば10分だけちょっと見ようと思っていても、1時間くらいあっという間に過ぎてしまうくらい地球の美しさが素晴らしかったです。それをまた見ることができるのは楽しみですし、非常にワクワクしています。

【廣瀬さん】
日常に地球が見えるってどんな感じなんですかね。

――本当ですよね。ますます廣瀬さん、宇宙飛行士にならないと。

【廣瀬さん】
めちゃくちゃ今ワクワクして、いいなと思いました。

――ちなみに星出さん、今回ISSの寝床の数が足りなくなるっていう噂も聞いているんですけれど。

【星出さん】
いまISSに滞在している宇宙飛行士は7人ですが、個室は6つのため、1人はクルードラゴンの中で寝ています。我々がISSに到着すると最大11人になり、圧倒的に寝床が足りなくなります。その場合は、寝袋を壁などにくくりつけて寝ることになると思うので、たとえば「きぼう」日本実験棟の中で寝るということになるかもしれません。

――お話が楽しくてあっという間に時間が過ぎてしまいましたが、最後に廣瀬さんから星出さんへ応援のメッセージをお願いします。

【廣瀬さん】
今日はありがとうございました。今回、星出さんが、船長として新しい冒険、挑戦されること、とても楽しみにしています。道中いろんなことがあると思いますが、その時にしか味わえない、ライブ感みたいなものが素晴らしいのではと思っています。日本とか地球からみなさんのことを応援していますので、帰ってきてから、今度はリアルにお会いして、いろんなお話うかがえるのを楽しみにしています。

【星出さん】
廣瀬さん、ありがとうございます。しっかりがんばってきたいと思います。

【廣瀬さん】
ありがとうございます。

――そして星出さんからメッセージお願いします。

【星出さん】
もうまもなく打上げになります。今回新しい宇宙船で宇宙に行きますが、民間の宇宙船でみなさんが宇宙に行く時代が間もなく来るのではないかというふうに思っています。ぜひ、みなさんの目で宇宙を体験して、いろいろな文化やアイデアが、どんどん出てくればいいなと思っています。私たちも、そのような時代に向けてしっかりがんばっていきたいと思いますので、応援をよろしくお願いいたします。

――星出キャプテン、応援しております!

【星出さん】
ありがとうございます。

――星出さん、今日はお忙しいところ、本当にありがとうございました。気をつけて宇宙に行ってきてください。そして、廣瀬さんもありがとうございました。

【星出さん】
はい、ありがとうございます。

【廣瀬さん】
ありがとうございました。
(終)