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食卓彩るレモン“価格上昇” その理由は…

2021年4月8日 20:23
食卓彩るレモン“価格上昇” その理由は…

さわやかな香りと共に食事をさっぱりとおいしくしてくれるレモン。そのレモンの価格が上がっています。揚げ物に搾ってかけたり、サワーに入れたりと、食卓を彩るレモンに今、何が起きているのでしょうか?

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東京・目黒区の「もつやき ばん」。この店自慢のもつやきと一緒に飲みたい、その酸味がたまらない搾りたてのレモンを注いだレモンサワー。多い日には1日500杯も作るという看板商品ですが、店に欠かせないレモンに今、ある出来事が起きているといいます。

もつやき ばん 小杉一さん
「今月に入って価格が急激に上昇しました。1月2月3月の価格に比べると、現在1.4倍ぐらいになっていますね」

レモンの仕入価格が急激に上がったといいます。この店では1日300個ほどレモンを使うため…

もつやき ばん 小杉一さん
「やはり仕入れが上がった分だけ、利益のほうは圧縮されてしまうという感じ」

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レモンの値上げは都内の青果店でも…

新宿八百屋 荒巻秀俊専務取締役
「こちらがレモンの売り場になります」

先月まで63円で販売していたレモンは、73円と10円値上がり。

30代女性
「(Q.レモンを買う?)レモンですか、たまに買います。レモンはあるのとないのじゃ、全然料理のひき立て方が違うかなと」

料理の添え物などに使われるレモン。国内ではアメリカ産やチリ産などの輸入がおよそ9割を占めています。東京の卸売会社によりますと、1箱17キロ入った輸入のレモンの価格は、2020年の4月と比べ1.5倍に上がりました。(17キロ1箱あたり 2020年4月上旬:約4000円 2021年4月上旬:約6000円)

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あるとうれしい食卓の名脇役に、何が起きているのでしょうか。

ユニオン東京支店 有山慎二サブマネジャー
「こちらがかんきつ類を保管している倉庫になりまして、今はアメリカのレモン」

かんきつ類などを輸入する会社の倉庫には、レモンがびっしり詰まった段ボールが山積みになっていました。しかし…

ユニオン東京支店 有山慎二サブマネジャー
「普段はこの倉庫が満パンになっているような状態が普通なんですけれど、現状ではガラガラの状態が続いております」

倉庫の中の段ボールは例年の5分の1ほどしかないといいます。激減した背景には、やはり“あの影響”がありました。

ユニオン東京支店 有山慎二サブマネジャー
「コンテナの確保ができなくなってきている。すべてコロナの影響なんですけれども」

新型コロナによる輸送に必要なコンテナの不足です。こちらの会社によりますと、コロナ禍で滞っていた物流が回復し始めた中、より需要の高いものにコンテナがあてられ、レモンを運ぶためのコンテナが不足しているといいます。さらに輸送関係者の感染もあり、人手不足も原因の一つだということです。

ユニオン東京支店 有山慎二サブマネジャー
「(ここ10年で)このような状況はない。(市場などの)注文に対して、お応えできないのは非常に苦しい毎日」

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さらに価格上昇に拍車をかけているのが、コロナ禍で家庭でのレモン需要が拡大していることです。ポッカサッポロでは2020年度、レモンを手軽に味わえる「ポッカレモン100」と「キレートレモン」の出荷量が過去最高を記録しています。

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東京の卸売会社によりますと、レモンの価格上昇は、少なくとも5月末まで続く見込みだということです。