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「まん延防止」兵庫、宮城でも 東京も警戒

2021年4月6日 10:28
「まん延防止」兵庫、宮城でも 東京も警戒

大阪に加え兵庫、宮城の一部でも5日、「まん延防止等重点措置」の適用が始まりました。“マスク会食”に神戸の飲食店から懸念の声が上がる一方、仙台の居酒屋では“マンボウ定食”なるメニューも。東京では変異株の感染者が増え、警戒感が強まっています。

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■マスク会食 神戸の店「言いにくい」

兵庫県神戸市でも、5日から夜8時までの時短要請が始まりました。飲食店の懸念は、マスク会食の呼びかけです。

市内のすし店は「よほどひどくない限りは、僕らも言いにくいですし。気持ちよく食べているのに、注意するというのはね」と漏らします。

客からは「難しいところはありますよね」「こういう対策は必要なのかなと思います。できるだけ気をつけるようにはしています」という声が聞かれました。


■仙台の居酒屋“マンボウ定食”

宮城県仙台市の居酒屋では、夜8時までの時短要請を受けて、ユニークなメニューがお目見えしました。「まん延防止策」にちなんだ、ランチ限定の「満望(マンボウ)定食」(1980円)です。酒のアテを多く入れていて、夜に我慢する分、昼に酒と食事を楽しんでもらおうと考えられました。

店長
「1回(店を)閉めてしまうと、飲食店として忘れられてしまう。(それが)自分としては怖いんですよね。1日でも早く『まん延防止』の期間が解除されることを願っています」

「まん延防止」適用の影響は、飲食店以外にも及んでいます。プロ野球の楽天イーグルスは、期間中のホームゲーム12試合のチケット販売を中止にしました。ファンは「マー君に会いたかったですね。やっぱりちょっと残念なところはあるけど、まぁしょうがないかなっていうところもありますね」と話しました。

深刻なのが医療現場のひっ迫で、仙台市とその周辺の医療機関の病床使用率は、94%(4月3日時点)と9割を超えています。


■強い感染力「N501Y」 東京でも

5日午後6時。羽田空港で、出張先の東京から大阪へ帰るという女性(28)に聞きました。仕事の関係で月に1回ほど、東京と大阪を行き来しています。「緊急的な案件があったので、取り急ぎ対応に来た形です。こちら(東京)に来ても、特に外に出歩くこともできないので、その辺は気をつけるしかないかな(と思います)」と話しました。

東京の新たな感染者は249人で、前の週の同じ曜日の人数を5日連続で上回りました。一方、新たに10代から80代までの22人が変異ウイルスに感染していたことが確認され、1日としてはこれまでで最多となりました。22人全員が、海外滞在歴がない上、関西で相次いでいる感染力の強い「N501Y」でした。


■尾身氏「1~2週で大阪のように」

東京都も、感染状況が悪化した場合には、政府に「まん延防止等重点措置」を要請する方針です。

東京の状況について、政府分科会の尾身会長は5日の参院決算委員会で「緊急事態宣言解除後、さらに人の流れが増えていて、これから1~2週間で(影響が)出てきます。私は、東京も大阪のような状況になる可能性があると思います。どんな効果的な対策を打てるか、真剣に検討すべき時期に入りつつある」と指摘しました。

5日の全国の感染者(午後10時半時点)は1565人で、奈良県では過去最多の71人となりました。

(4月5日『news zero』より)