人気↑台湾パイン 中国との“摩擦”背景に
最近、台湾産のパイナップルを売り出すスーパーなどが増えていることをご存じでしょうか。甘くて芯まで食べられると売り切れが相次いでいますが、このパイナップルを巡り、中国と台湾のあいだで摩擦が起きています。
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5日、訪れたのは東京・足立区のスーパー。店内に並んでいたのは、台湾産のパイナップル。普段目にするフィリピン産と比べると少々お高めですが…。
サンベルクス青果商品部・小川能弘課長「例年の約3倍は売れてますね。今年は大爆発ですね」
先月頃から突如、品切れになるほど人気だというのです。
購入者「今まであまり買った事ないんですけど、最近ハマってます」
甘みが強く、芯までたべられるほど肉質が軟らかい台湾産のパイナップル。その人気ぶりは、台湾パイナップルを輸入・販売する会社でも…。
豊洲市場ドットコムなどを運営 食文化・八尾昌輝さん「通常は1年に500玉とかそれぐらいが売れればというところなんですけど、今年はすでに5000玉ぐらい販売をしておりまして」
例年の10倍も売れているといいます。
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神奈川県藤沢市にある「フルーツパーラーぶんぶん」では、台湾パイナップルを使ったスイーツを先月から期間限定で始めました。これまで、国産の果物にこだわっていましたが、台湾パイナップルを使い始めました。その理由は――。
フルーツパーラーぶんぶん・田村えりかマネジャー「東日本大震災の時とかに台湾の方に支援をいただいたと」「騒動をニュースで見た時になにか恩返しができればなと思いまして」
東日本大震災の時、日本に緊急援助隊の派遣や、多額の義援金で支援を行った台湾。その台湾が、先月、97%以上を輸出していた中国からパイナップルの輸入を止められたのです。
事の発端は先月1日。中国政府が、「台湾のパイナップルから害虫が見つかった」としてパイナップルの輸入を停止。この中国の輸入停止措置に対して台湾側は、「台湾統一を目指す中国の政治的圧力だ」と反発しています。
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台湾は販路の拡大を狙い、先月、都内でバイヤーやメディア関係者らに、台湾パイナップルの魅力を紹介するイベントを開催。また、台湾と友好関係にある山口県でも試食会を行うなどアピールしていました。こうした活動もあり、日本でも支援の輪が広がり、日本への今年の輸出量は、去年のおよそ2倍になる見込みだということです。