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都内で「484変異ウイルス」…病院の懸念

2021年4月2日 10:50
都内で「484変異ウイルス」…病院の懸念

大阪や兵庫で猛威を振るう変異株。神戸市の調査では、新規感染者の52.3%が感染していました。「主流になりつつある」という専門家の見方も。都内でも入院患者の半数が変異株だった病院が複数あり、ワクチンの有効性に懸念のある型も確認されています。

■専門家「主流になりつつ」

大阪や兵庫などで広がりを見せる変異ウイルス。大阪府では1日までに207人、兵庫県では298人が確認されています。

神戸市が、3月15~21日の1週間に確認された新規感染者のうち約6割について、変異ウイルスかどうかを調べたところ、52.3%が変異ウイルスに感染していたことが分かりました。

専門家は、大阪や兵庫では変異ウイルスが主流になりつつあるとみています。

■東京では「484変異ウイルス」

一方、変異ウイルス感染者はまだ比較的少ない東京。1日午後、東京医科歯科大学付属病院では、患者が奥の部屋へと運ばれていました。

看護師
「お部屋の入り口のところに変異株の印をつけています」

貼られていたのは変異ウイルスを示す「E484K」の文字。変異ウイルス患者の対応にあたっていました。「一酸化窒素の機械を変異株の患者さん用に移動しているところです」。

東京医科歯科大学は入院中のコロナ患者などを調べたところ、今週月曜日(3月29日)の時点では半数が「484変異ウイルス」に感染していました。「484変異ウイルス」は、従来型より感染力が強いとされるイギリス型などとは異なり、WHO(世界保健機関)が注意すべきと呼びかけてはいませんが、ワクチンの有効性には懸念があるといいます。

東田修二検査部長は「われわれ医療従事者としては、びっくりしたところです」と話します。

変異ウイルスの患者は個室に入院してもらう対策を取っていますが、「ただでさえコロナ病棟のベッド数が問題になっているところに、(変異ウイルス感染者の)入院期間が延びると、新たな患者さんを受け入れる余地がまた、さらに少なくなってくるわけです」と頭を悩ませていました。

■別の病院でも 院長「実際はもっと」

都内の昭和大学病院でも、入院患者13人の検体を検査したところ、半数近くの6人が変異株に感染していました。1人は、大阪などで広がっているイギリス型、残る5人は「484変異ウイルス」でした。

相良博典院長
「『え、こんなにいるのか』というのが最初の印象ですね。変異ウイルスの陽性者は実際、もっといるんじゃないのかなと思います」

(4月1日『news zero』より)