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中国「必要な協力を提供」WHO報告書

2021年3月31日 12:38

新型コロナウイルスの起源を解明するWHO(=世界保健機関)の国際調査団は30日、コウモリなどから別の動物を介してヒトに感染した可能性が「非常に高い」とする報告書を公表しました。

報告書では、ウイルスの感染経路について複数の仮説が検証され、コウモリなどの動物から、別の動物を介してヒトに感染した可能性が「非常に高い」と結論づけています。

一方、アメリカが指摘していた武漢のウイルス研究所からの流出の可能性は、「極めて低い」としています。

また、最初に感染者が確認された2019年12月より前からウイルスが広がっていた可能性を指摘し、さかのぼって武漢の血液サンプルを調べることなどを勧めています。

テドロス事務局長は中国側のデータの提供が不十分だったとの認識を示し、「さらなる調査が必要だ」としています。

報告書の公表を受けて、日本やアメリカ、イギリスなど14か国は共同声明を出し、「国際調査団による調査が大幅に遅れ、完全なデータやサンプルへのアクセスが欠如していた」など指摘した上で、「共通の懸念を表明する」としています。

アメリカ・サキ報道官「中国には透明性がなく、基本的なデータも提供していない。当然、協力的とは言えない」

アメリカ・ホワイトハウスのサキ報道官は、WHOについても、「非常に官僚的で、深刻な危機に向き合っていない」などと批判しました。

一方、中国外務省は、調査について「中国は必要な協力を提供し、開放的で透明で責任ある態度を示した」と強調しました。また、「ウイルスの起源を政治問題化するのは避けるべき」とした上で、調査は「多くの国でも行われるべきだ」と各国をけん制しています。