我慢限界?各国で感染対策に抗議の動きも
世界では、ワクチンの接種を後押ししようとさまざまな工夫が行われています。一方で、自粛や我慢の生活が長期化する中、感染対策に抗議する動きも広がっています。海外での新型コロナウイルスをめぐる最新の動きです。
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■ワクチンを打てばドーナツが
世界最多の2900万人以上が感染したアメリカ(アメリカ 感染者2986万9518人 死者54万2949人 米ジョンズ・ホプキンス大23日午後5時時点)。
記者「ワクチンの接種拡大に向けすでにワクチンを打ったという証明書を提示すれば、ドーナツがひとつ無料になるキャンペーンが始まりました」
クリスピー・クリーム・ドーナツが22日から始めたこのサービス。ニューヨークの店舗にはワクチンを接種した人々が早速訪れました。
ワクチンを接種した人「素晴らしい。ドーナツをタダでもらえる上に自分は健康で安全だから気分がいい」「多くの若い人や甘い物が好きな人がワクチンを受けると思う」
1人につき1日1個限定ですが、期間中は何度でも無料でもらえるこのサービス。今年いっぱい行うということです。
こうした中、ニューヨーク州は23日からワクチンの接種対象をこれまでの60歳以上から50歳以上に引き下げると発表しました。
ニューヨーク州クオモ知事「50歳以上の人は接種の予約をしてください」
アメリカでは複数の州が接種対象を16歳以上の若者にまで引き下げることを発表。22日の時点で国民のおよそ4分の1が少なくとも一度は接種を受けています。
■国によって接種回数に差が
9万人以上が感染した韓国(韓国 感染者9万9421人 死者1704人 韓国・保健当局23日)。文在寅大統領は23日、アストラゼネカのワクチンを接種しました。
韓国・文在寅大統領「全く問題ないですね」
韓国では23日から接種を一時保留していた65歳以上の対象者にも接種が始まりましたが、接種同意率は77%に留まっています。68歳の文大統領が接種することで国民の疑念を払拭する狙いもあります。一方、ロシアのプーチン大統領は、23日にワクチンを接種すると表明しています。
ワクチンの接種回数はアメリカが1億2448万回とトップ。中国(7496万回)、インド(4507万回)と続きますが、国によって差が出ているのが分かります。WHO(=世界保健機関)は22日、改めて公平な分配を呼びかけました。
WHO・テドロス事務局長「不公平な供給は倫理的な問題だけでなく経済と疫病学的にも自滅的だ」
■各国で感染対策への反対運動も
各国で、感染対策に反対する抗議が行われています。NBCによりますと、アメリカのアリゾナ州では、およそ50人がマスク着用に抗議。マスクを燃やしました。
260万人以上が感染したドイツでもおよそ2万人が抗議デモに参加しました(ドイツ 感染者267万8262人 死者7万5011人 米ジョンズ・ホプキンス大 23日午後5時時点)。ロイター通信によりますと逮捕者も出たということです。
中には、厳しい規制を行っているドイツの日常からしばし逃れようとする人も。スペインのリゾートに21日、大勢のドイツ人観光客が到着しました。
ドイツ人観光客「ここは素晴らしい!ドイツでは1年間ひどかった」
ビーチにも早速、ドイツ人観光客の姿が。マスクを外し、楽しむ姿に、地元スペインの人は。
スペインの人「マスクをしていない人々を見ると、少し怖いです」
世界では1億2300万人以上が感染。死者は272万人を超えています(世界感染者1億2369万1979人 死者272万3353人 米ジョンズ・ホプキンス大 23日午後5時時点)。