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克行被告 神父から電話…認否の変化に影響

2021年3月23日 19:10

元法相・河井克行被告の公判が3月23日に行われ、弁護側の被告人質問が始まりました。克行被告は無罪主張を一転させて起訴内容を大半で認め、議員辞職の意向を示しました。

23日の裁判では、弁護側の被告人質問が行われました。河井克行被告は、紺色のスーツ姿に水色のネクタイ、議員バッジをつけて出廷。

被告人質問で克行被告は、広島県の地元議員や後援会関係者などへの現金供与について、「私自身、あからさまな投票依頼を行ったことはございません」と述べました。その上で、「妻の河井案里の当選を得たいという気持ちが全くなかったとは言えない、否定することはできないといま考えております」「全般的に選挙買収罪という事実に関しましては争うことを致しません」と述べ、これまでの無罪主張から一転して、起訴内容の大半を認めました。

認否を変えた背景については、「100人と言われている、お金を差し上げた皆様、お一人お一人によって、時期、狙い、買収金額、私の長年の関係性、100通りの事情があった」「一括して選挙買収と断ぜられることも納得できなかった」と述べました。その上で、「私は東京拘置所に259日間収容されておりました」「毎日自問自答を繰り返しました」「認めるべきことは認めることが、後援会の皆様や支援者の皆様に対し、私なりの政治家としての責任の取り方だと考えるに至りました」と述べました。

さらに、保釈後に20年以上親交がある教会の神父から電話を受け、「自分の内面に誠実に向き合ってください」と言われたことが認否の変化に影響を与えたとも述べました。

その一方で、広島県議や陣営スタッフら6人への現金供与については買収の趣旨を否認。後援会関係者2人に関しては、本来渡そうとした相手ではなかったとして、現金供与そのものについて否認しました。さらに、国会議員だった亀井静香氏の元秘書と、広島県議に渡したとされる現金に関しては、金額について争う姿勢を示しました。

そして、妻の案里元議員との共謀については、「全く事実と反しますので無罪を主張させていただきます」と述べて否認しました。今後の進退について問われると、しばらく黙った後、「衆議院議員を辞することと致します」と述べ、議員辞職の意向を示しました。

【公判を追う】河井夫妻・選挙違反事件 克行被告公判(3月23日)