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震災経験の張本「優勝届けられてうれしい」

2021年3月15日 21:36
震災経験の張本「優勝届けられてうれしい」

カタールで行われていた卓球の国際大会に出場し、今季初優勝を果たした張本智和選手(17)が14日、帰国。15日にオンライン取材に応じました。東日本大震災から10年。自身も被災した張本選手が特別な思いを語りました。

先月28日から開催されたWTTコンテンダー・ドーハ大会では、準決勝で元世界ランキング1位、ドイツのオフチャロフ選手に敗戦。この結果に「出だしは良かったが、簡単に点を取り過ぎた分、長いラリーに対応できなくて2-0から逆転されてしまった。粘りが全然無かった」と振り返りました。

そして今月6日(日本時間)から開催されたWTTスターコンテンダー・ドーハ大会。準決勝で再びオフチャロフ選手と対戦。第1ゲームを奪われるも、粘りのある試合運びで4-2で勝利。「1ゲームを取られてからも、最初から粘ろうという気持ちがあったので、色んなサーブを試したり、コースで崩したり、前大会より準備できた」と短期間で立て直しができた点を自分自身で評価しました。

決勝でも勝利し、今季初優勝となった張本選手は今大会について「(東京)五輪の準決勝までの戦いを想定していたので、そこまで行けると思えたのが良い収穫。最後も勝ちきれて良かった」と語りました。

また、大会期間中に10年を迎えた東日本大震災。7歳の時に住んでいた仙台で被災した張本選手は今大会、「WASURENAI3.11」のメッセージが書かれたユニホームを着用して試合に臨んでいました。

「今大会はいつもと違って、“3.11”から10年ということを胸に刻んで戦っていたので、節目の10年で皆さんに優勝を届けられてうれしい。いつもは自分のために勝つ、勝たなくてはいけないというプレッシャーはあったが、皆さんがついていると思って戦えた」と胸の内を語りました。

※写真:新華社/アフロ