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「安否確認」どう変わった?検索データ分析

2021年3月12日 9:30
「安否確認」どう変わった?検索データ分析

東日本大震災から10年、「news zero」では国内に約8000万人のユーザーがいるヤフーの検索ビッグデータから「安否確認」について分析しました。(協力:ヤフー・データソリューション)


■通信途絶え…「安否確認」は掲示板で

10年前の東日本大震災では、被災地の広い範囲で携帯電話の通信が途絶えました。グラウンドや建物の屋上などにSOSの文字を描き、助けを求めた人々。そして、家族や知人の安否を確かめる方法は避難所の掲示板。家族を探す張り紙や、自分の安否を伝える張り紙などであふれました。


■「グーグル」が急上昇…ナゼ?

そこで、2011年3月11日から1週間の間に検索された、「安否」を含むワードの検索ランキングを調べました。発災当初は「嵐」や「ジャニーズ」の安否を心配し、検索した人も多かったことが分かります。

検索ランキングの上位には「NHK」や「IBC(岩手の放送局)」が入りました。インターネット上で安否情報を提供していたことなどから、検索した方が多かったとみられます。

一方、震災の4日目から急上昇したワードが「グーグル」です。当時、グーグルでは、避難所の張り紙や名簿の写真から読み取った情報を、「パーソナルファインダー」と呼ばれる安否確認システムにボランティアが手入力していくことで情報を集約していました。さらに、県や警察庁、メディアなどとも連携して安否情報を集約。最終的に67万件以上の安否情報が登録されました。

通信が途絶えた状況の中、安否情報を集約していったことから、次第に「グーグル」の検索件数が増えていったとみられます。


■311以降…熊本地震は「システム」に

東日本大震災以降、「安否確認」はどう変わったのでしょうか。

2016年4月に発生した最大震度7の熊本地震。この時の「安否」を含むワードの検索ランキングを見てみると、ランキングの上位には「安否確認システム」や「安否確認サービス」「セコム 安否確認」などが多く並んでいました。

東日本大震災以降、様々な企業が安否確認システムを展開し、導入が進んだことなどから、検索における「安否」が「安否確認システム」を指すような傾向になりつつあることが分かります。

一方で、「くまモン」も検索ランキングの上位に入っていました。地震発生後、公式SNSでの情報発信を控えたことから、安否を心配した人が多かったとみられます。