中国の国会にあたる全人代（＝全国人民代表大会）が開幕しました。習近平国家主席が長期政権を目指す中、経済政策がどのように示されるかが焦点です。北京から槻木亮太記者が中継。

まず注目されるのは、経済成長目標を明示するかどうかです。開幕式では、習主席が最高指導部を従えて入場しました。

去年は新型コロナウイルスの影響で示されなかった年間の経済成長率の目標設定ですが、今年は「６％以上」と明示する見通しです。去年落ち込んだ部分からのリバウンド効果を含めた数字ですが、世界に先駆けて感染を抑え込んだ“成果のアピール”を狙った形です。

また、２０２５年までの経済政策を示す「５か年計画」など、中長期の成長目標がどのように示されるかも注目されています。習主席は経済の好調を維持し、異例の３期目続投と長期政権につなげたい狙いがあります。

さらに、今回の全人代では、香港の選挙制度の見直しも焦点となります。「香港の統治は愛国者が行うべき」との方針のもとで、中国政府に批判的な民主派を排除するための仕組みの導入が議論される予定で、香港の民主化への道が閉ざされるのか、大きな節目を迎えます。