韓国で文在寅政権との対立が続いている検事総長が辞任すると表明しました。１年後に迫った大統領選挙に出馬するのかが注目されています。

韓国の尹錫悦検事総長はことし７月までの任期を残し、４日に突如、辞任を表明しました。その上で、文政権が進める検察改革について、「この社会が積み上げた正義と常識が崩れるのをこれ以上見過ごすことはできない」と公然と批判しました。

文政権は１月に政府高官らに対する捜査権限を検察に優先して持つ「高位公職者犯罪捜査庁」を設置するなど検察改革を進めています。さらに、検察の捜査権を新たな機関に分離させ、権限を公訴権のみとする議論を進めていて尹総長は強く反発していました。

また、尹総長は「どんな立場でも国民を守るために力を尽くす」と述べていて、１年後に迫った大統領選挙に出馬するのかが注目されています。

尹総長は、次期大統領に誰がふさわしいかを問う世論調査では、常に上位に名前が挙がっています。

尹総長が辞任を表明したおよそ１時間後、韓国大統領府は文大統領が辞任を受け入れたと明らかにしました。

丁世均首相は、事前に政府側と尹総長の協議がなかったことを明らかにし、「非常に遺憾」だと強く批判しました。