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ゴーン被告逃亡支援の親子逮捕までの道のり

2021年3月2日 10:42
ゴーン被告逃亡支援の親子逮捕までの道のり

日産自動車の元会長カルロス・ゴーン被告が国外逃亡してから1年3か月。東京地検はゴーン被告の逃亡を支援したアメリカ人親子2人の逮捕にこぎ着けました。

■保釈中のゴーン被告がレバノンに逃亡!
衝撃のニュースが飛び込んできたのは2019年の大みそか。金融商品取引法違反などの罪で起訴され、保釈中だったカルロス・ゴーン被告が、中東のレバノンに到着したとのニュースが世界を駆け巡りました。

保釈中の海外渡航が禁止されているゴーン被告がなぜ海外にいるのでしょうか。まるで映画のような逃亡劇を支援したとみられるのが、今回、犯人隠避の疑いで逮捕された、マイケル・テイラー容疑者と息子のピーター容疑者です。

■「葉加瀬太郎のコンサートを見に来たバイオリニスト」
父親のマイケル容疑者はアメリカ陸軍の特殊部隊の元隊員。その手口は、ゴーン被告が音響機器用の黒い箱の中に入り、保安検査を受けることなく出国するというもので、父のマイケル容疑者が同行していたといいます。プライベートジェット専用の施設では、保安検査が義務化されていない盲点をついたものでした。(現在は義務化)

アメリカの裁判資料によれば、父のマイケル容疑者は、「自分は葉加瀬太郎のコンサートを見に来たバイオリニストである」と空港職員に説明したといいます。

この逃亡手助けの報酬かどうかは定かではありませんが、ゴーン被告は、逃亡前に、ピーター容疑者が役員を務める会社におよそ86万ドル、日本円で9300万円を送金していたといいます。

逃亡のおよそ1か月後。東京地検はゴーン被告とともに2人の逮捕状をとりました。

■親子はアメリカで逮捕される。しかし…
日本で逮捕状が出てからおよそ4か月後の去年5月。2人は日本ではなくアメリカで逮捕されました。息子のピーター容疑者がレバノンに向かうとの動きがあり、その直前での逮捕でした。

東京地検は身柄の引き渡しを請求し、去年10月、アメリカ国務省は引き渡しを決定。同月31日には東京地検などの関係者がアメリカに派遣されるなど引き渡しはいよいよ間近と思われていました。しかし、移送は行われませんでした。急遽、親子側が移送の差し止めを求める請求を起こしたのです。移送の差し止め請求についてアメリカで審理が続く中、年をまたぎ、逃亡から1年以上が経過した今年の2月13日。アメリカの最高裁が移送の差し止めを求めた親子側の申し立てを退けました。

■引き渡しに向けて出発
2月27日の夜。閑散とした成田空港から15人ほどの東京地検などの関係者がボストン行きの飛行機に乗り込みアメリカへ。大きなリュックサックを背負い、中にはキャリーケースを運ぶ人もいるなど、大がかりな体制でアメリカへ飛び立ちました。アメリカに到着すると、彼らは地元警察が警備する物々しい雰囲気の中、車に乗り込みテイラー親子の引き渡しに向かいました。

■ついにテイラー親子を逮捕
そして、東京地検の関係者が成田空港を出発してからわずか56時間後。2人を乗せたとみられる車列が空港に到着。2人を乗せた飛行機は日本へと飛び立ちました。関係者によりますと、特捜部はテイラー親子を犯人隠避の疑いで逮捕。日本に到着次第、テイラー親子は東京拘置所に収容され、ゴーン被告逃亡の経緯などについて本格的な取り調べが行われるとみられます。

写真:弁護団提供