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新顔「シェアオフィス」ホームやスーツ店に

2021年2月25日 10:55
新顔「シェアオフィス」ホームやスーツ店に

接種スケジュールが焦点だったワクチンをめぐり、政府は24日、具体的な日程を示しました。感染者数のリバウンドに注意を要する状況の中、営業再開を決めた飲食店や、ホーム上やスーツ販売店などユニークな場所にお目見えしたシェアオフィスを取材しました。


■ワクチン接種「4月12日」から高齢者

菅首相
「4月5日の週に高齢者向けのワクチンを自治体に発送します。そして4月12日から接種する予定です」

24日夜、コロナのワクチンに関する具体的な日程が明らかになりました。

高齢者への接種について河野ワクチン担当相は会見で、「3600万人が対象になりますので、仮に全市区町村で(一斉に)スタートしても、すべての方が一斉に受けられるということにはなりません」と述べました。

まず4月5日の週に各都道府県に対し、全体で約5万人が2回接種できる量のワクチンを配布し、12日から接種をスタート。その後も順次配送し、26日の週からは全国すべての市町村に行き渡る数量を配送する予定だと説明しました。


■自主休業の飲食店…“営業再開”ナゼ

接種のスケジュールとともに気になるのが、緊急事態宣言解除の行方です。

現在、自主的に休業している神奈川県内のレストランを訪ねました。店内の日めくりカレンダーは、既に「3月1日」になっていました。その理由を聞くと―

休業中の飲食店代表
「3月1日に向けて自分の気持ちを高めるために…」

従業員の雇用などを考え、来月7日の期限を待たずに営業再開を決めていました。

3週間前の取材時には「200名くらいの団体のキャンセルをいただいた」「キャンセルの嵐ですね」と話し、3月はキャンセルが相次いでいましたが、再び取材した24日には新たな団体客の予約が入っていました。

店を訪れたのは、都内にある中学校の3年生の担任で、コロナの影響でできなかった修学旅行の代わりに、校外学習を計画し、この日はその昼食場所の下見でした。

飲食店代表
「4名、5名だとこんな感じで。感染防止もできますので」

担任
「地下ということで、換気の面も気にはかかっていたんですが」

飲食店代表
「今も感染防止のCO2の濃度(を計っているの)と、心配であれば機械で換気できますので」

気がかりだった店の感染対策について説明を聞いた担任は「何度も何度も給仕するのではなくワンプレートにしたり、集団でお世話になっても大丈夫だなと安心感を得ることができました」とほっとした様子でした。

飲食店代表は「やはりお客様との再会、スタッフとの再会、これを早く実現して、なんとか少しでもお役に立てるお店作りが前向きにできれば」と話しました。


■若者の感染“増”も リバウンド注意

一方、24日に厚生労働省で会見した専門家からは、懸念が示されました。

国立感染症研究所の脇田隆字所長
「2月の中旬以降、減少スピードが鈍化しています。さらには『リバウンド』にも注意が必要です」

特に、東京・大阪・千葉では若者の感染者数が増えているとの分析が示されました。
千葉県の森田知事は「(これからの時期)桜を見に行って友達呼んで、ちょっと一席開いて一杯。これはやめてください!」と呼びかけました。

24日の全国の感染者数は924人、死者は69人が確認されています(午後10現在)。


■駅ホームでお仕事…スーツ販売店でも

一方、JR西国分寺駅のホームのすぐ脇には、日本初のシェアオフィスが登場しました。JR東日本は、都内2駅にシェアオフィスを設置。西国分寺駅は25日から、三鷹駅は3月25日からオープンします。

新しいシェアオフィスは、ほかにもあります。

畑下由佳アナウンサー
「こちらではスーツなどを販売しているのですが、すぐ隣の部屋には、シェアオフィススペースがあります」

ビジネスウェアの売り上げが大幅に減った「洋服の青山」を展開する青山商事は、東京都千代田区にある水道橋東口店の半分をシェアオフィスにしました。去年10月に始めて以降、売り上げは2倍になりました。意外な使われ方もあるようです。

青山商事/広報部長
「『ちょっと会議が急きょ入りました』という方などは、慌ててジャケットを購入されてリモート会議に出られるというケースもあります。今まで仕事着の販売をメーンに行ってまいりましたが、仕事場の提供も今、求められているのではないかと(考えています)」

(2月24日『news zero』より)