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JR新型車両 半世紀ぶりに内房・外房線へ

2021年2月20日 20:00
JR新型車両 半世紀ぶりに内房・外房線へ

3月に千葉でデビューするJR東日本の新型車両「E131系」が報道公開。環境や人に優しい設計です。車内は現在の普通列車より幅が広く設計され車椅子対応トイレも設置。人の乗降が運転台で確認できるワンマン対応になるなど房総に新しい風が期待されます。


■E131系、帯のカラーは青と黄色

2月18日に新型車両E131系が報道陣に公開されました。E131系は車両の消費電力を抑えた、環境にも人にも優しい車両です。車体の帯は、青と黄色。青は優雅で生命感のある房総の海。黄色は「千葉県の花」として親しまれている菜の花をイメージしているとのこと。そして、正面の水玉模様は海の波しぶきをイメージし、お茶目で柔らかい印象にうつります。また車内の座席の色も、青と黄色に統一されています。


■広い車内、安心と快適性が向上

車両のシートは2種類。運転台側にはロングシート。連結部側には向かい合って座れるボックスシートが設置されていて、行楽客に嬉しい作りです。

ドアの上には液晶ディスプレイ。首都圏を走る車両と同様に、他言語にも対応しています。また安全のための設備では防犯カメラ設置のほか、車内の異変を乗務員に伝えるための非常通話装置も、1両につき4か所に増やしているということです。車椅子・ベビーカー利用者のためのフリースペースが設置されており、もちろんトイレも車椅子対応です。


■50年ぶりの新型車両

新型車両E131系は、2021年3月13日のダイヤ改正で、千葉県の房総半島の線区でデビュー。内房線の木更津駅から安房鴨川駅を経由し、外房線の上総一ノ宮駅までと鹿島線の全区間で普通列車としてデビューします。内房線や外房線の普通列車にはこれまで、首都圏などを走っていた京浜東北線などの中古車両がセカンドライフとして走ってきましたが、新車が投入されるのはおよそ半世紀ぶりのことになります。


■千葉・房総エリアに新車が投入された理由とは?
 
車体の連結部近くには列車全体の乗降口が見渡せるカメラが取り付けられています。カメラの映像は運転台に設置されたモニターに映し出されるため、乗務員は人の乗り降りが確認しやすくなるのだといいます。

次にドア。ホームがないところでドアが開かないようにするホーム検知のシステムや、荷物が挟まれた場合でも、引き抜きやすくしたといいます。これらはすべて安全にワンマン運転を行うための設備で、安全性向上と効率化のために新造車両が投入されました。


■走りながら普通列車が線路を点検?!

一部の列車には「線路設備状態監視機能」が搭載されます。これは走りながら線路のモニタリングをする機能で、車両の下側に装置が取り付けられています。(報道公開された車両には取り付けられていませんでしたが、来月13日にデビューする車両には付いているものもあるということです)故障の予兆を把握することで、事前の対処ができるようになります。


■全て2両編成、今走る車両の置き換えは・・・

来月13日にデビューするE131系は全て2両編成です。これまでの普通列車の4両編成に比べ効率的な運用ができるということです。JR東日本によりますと、「利用状況に応じて2両でまかないきれない列車であれば、現在の4両編成を運用していく」としています。12編成24両が導入される予定ですが、今後の置き換えについては「現時点で具体的な計画はありません」ということです。

内房線・外房線に半世紀ぶりに導入される新型車両、E131系。房総半島を走る鉄道路線に新しい風を吹き込むことが期待されます。


「藤田大介アナの日テレ鉄道NEWS」は、日本テレビで1番の鉄道好きアナウンサー・藤田大介が、鉄道に関するニュースや話題をマニアックな目線でお届けするオリジナル企画です。