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「緊急事態」解除は? 大阪府が独自に要請

2021年2月20日 13:57
「緊急事態」解除は? 大阪府が独自に要請

大阪府が19日、独自の動きを見せました。緊急事態宣言の解除の目安に達し、吉村知事は解除を要請することを決定。一方、人出が戻りつつある東京都の小池知事は「リバウンド」に懸念を示しました。飲食店の受け止めや工夫を凝らした取り組みを取材しました。


■吉村知事 今月末“解除”要請

19日、大阪府が動きました。
吉村知事は「2月末日をもって、緊急事態宣言を解除するように(国に)要請したい」と表明しました。

緊急事態宣言が出されている10都府県の病床使用率をみると、大阪はこの指標がネックでしたが、18日時点では宣言解除の目安である「ステージ3」に下がっています。

吉村知事
「医療崩壊を起こさないということは、なんとか医療従事者の皆さんのお力を借りてできたと思っています。社会全体のことも考えて、緊急事態宣言を解除すべきではないか。ここは批判もあるところだとは思いますが」


■大阪“解除”要請で飲食店は

この動きを歓迎したのは、夜8時までの時短で営業を続けているバーです。
大阪・ミナミのバー
「やっぱり、早くそうなってもらいたかったですよね。営業時間が(午後)8時までって、商売にならないんで」

大阪府は宣言が解除された場合、時短営業の対象を大阪府全域から大阪市内の一部に狭め、午後8時から午後9時に1時間延長する方針です。

大阪・ミナミのバー
「そんなに変化は望んでいませんけど、気持ちの上でメンタルの上で、1時間でも延びるのがありがたいというだけですよね」

一方で複雑な思いを抱える飲食店もあります。緊急事態宣言の延長をきっかけに、店舗の1つを休業している大阪・ミナミの飲食店は、解除されても営業を再開するかどうかは、判断できないでいます。

「今回解除することによって“第4波”が来るのが一番不安です。解除したからお客さんがすぐ戻ってくるわけじゃないので、その後の支援を一番、僕たちは求めていますね」


■関西圏“解除”は 「専門家と判断」

大阪府は関西3府県で足並みをそろえるため、来週にも兵庫県、京都府と協議する方針です。その要請を受ける側の西村経済再生相は19日、吉村知事と電話会談しました。

西村大臣
「全体的に新規陽性者の数が減少傾向にあること。他方で、下げ止まり感が出てきていることも共有しております。あわせて兵庫県知事、京都府知事とも電話会談を行いましたが、それぞれの状況、多少温度差もあります」

解除要請を受けた場合は、専門家の意見も聞いて判断するとしています。


■東京感染353人 「リバウンド」懸念

一方、19日に新たに確認された都内の感染者は353人。13日連続で500人を下回りました。しかし小池都知事は「(感染者が)少し盛り返しと言うか、リバウンドが懸念されるところです」と指摘しました。懸念するのは、人流が戻る傾向が見られることです。

木曜日の18日、午後9時台の首都圏の人出のデータを見てみると、約1か月前の緊急宣言開始後の木曜日と比べ、渋谷駅で1.2倍、新宿駅で1.3倍、六本木で1.4倍など、夜の人出の増加傾向が顕著になっています。

19日午後9時ごろの渋谷の様子を見ると、多くの人が行き交っているように見えます。

都の担当者は感染状況について「20代、30代の若い人が増えて、減少傾向が底を打った可能性がある」と話しています。

19日の都内の感染者(353人)を年代別にみると、20代(84人)と、30代(69人)で、全体の4割以上を占めています。

午後9時半すぎ、東京・渋谷で20代に聞きました。

会社員
「若干、人は戻ってきているのかなっていう感じがします。自分もこの時間に出歩いている時点であれなんでけど、対策はしっかりしつつ、でも正直出たいなっていう気持ちは分かるんで」

接客業
「(飲みに)全然行かないですね」
――本当は遊びたい?
「めちゃくちゃありますね」


■時短要請 “しめラーメン”減り「朝ラー」も

飲食店への時短営業要請は依然として続きます。

都内のラーメン店では、先月から開店時間を4時間前倒し、朝7時からとしました。
ラーメンも、朝から食べやすいよう、通常よりもあっさりめの味付けに調整しました。
このラーメン店は、去年5月の緊急事態宣言時には、客が持参した鍋にラーメンを作り、テイクアウトできる「鍋ラー」を開始しました。しめでラーメンを食べる人が減り、工夫を凝らしています。

ラーメン店代表
「店の存続もそうですし、お客さんも変わらず来てもらえるような努力をしたいということで、いろいろやっているので、1人でも2人でも来ていただけるのはありがたいです」

(2月19日『news zero』より)