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ワクチン全国各地へ 接種の医療現場では

2021年2月19日 9:21
ワクチン全国各地へ 接種の医療現場では

医療従事者への先行接種2日目となる18日、全国各地の現場へワクチンが到着し、接種が始まりました。取材班は神奈川県の病院を訪ね、その一部始終を取材しました。一方、“第4波”や変異株の封じ込めなど、感染の再拡大に備えた対策が各所で練られています。


■全国各地で…接種の“一部始終”

18日午前、茨城県の水戸医療センターへ、箱に入ったワクチンが到着しました。先行接種2日目となり、全国各地で接種が始まりました。
1瓶で6回分の接種が可能な、ファイザーのワクチン。院長ら12人が18日に先行接種した神奈川県の相模原病院で、冷凍保存された状態から接種までの一部始終を、特別に見せてもらいました。

副薬剤部長
「まず、冷蔵庫から取り出します」

冷凍庫から冷蔵庫に移し、3時間かけて解凍します。それに生理食塩水を入れて、液体を均一に薄めます。6回分の注射器を用意し、薬剤師が「0.3(ml)です」と確認し合いながら、6回分、1本1本吸い出していきます。「ぎりぎり…」と薬剤師が言うように、分量を少しでも誤れば、足りなくなってしまう恐れのある慎重な作業をへて、ようやく接種ができました。

医師
「指先にしびれはないですか」
金田悟郎院長
「ないです」

金田院長は「良かったな(と思います)。やっとこれで第一歩ですね。新しい生活の第一歩なのかな」と話しました。


■第4波へ フォローアップセンター

ただ、接種が始まっても心配されるのが、“第4 波”への対応です。18日、厚生労働省の専門家会議では田村厚労相が「次の波ということをわれわれは意識しながら、いろいろな対応をしていかなければならない」と述べました。

“第4 波”も見据え、自宅で療養する人への健康確認を行っている東京都の「自宅療養者フォローアップセンター」を18日訪ねました。多くのスタッフが作業していました。都が保健所業務の一部を民間に委託する形で、約40人で24時間、対応に当たっています。

東京都感染症対策部
「1月中旬の時のような(自宅療養者の)人数は想定して、最大120人までは増員できる状況になっています」


■都「最も深刻」維持 変異株に危機感

18日確認された全国の感染者は午後10時半現在で、1537人。東京では先週木曜日(434人)よりも多い445人の感染が確認されました。

この日の都のモニタリング会議では、感染状況も医療体制も、最も深刻なレベルを維持しました。専門家が特に危ぶんでいたのは、変異ウイルスです。

大曲貴夫・国立国際医療研究センター国際感染症センター長
「今回取り上げたのは変異株で、非常に感染力が強いと言われています。これは絶対に増やしてはいけない」

他県でも警戒が強まります。

「岡山県でも初めてですし、中国地方でも初めてです」
岡山県は18日の会見で、変異ウイルスを確認したと明らかにしました。18日も、岡山県をはじめ7都県で新たに13人の感染が確認されました。


■COCOA また別の不具合
一方、これまでAndroid(アンドロイド)版で不具合が確認されていた接触確認アプリ(COCOA)で、田村厚労相はiPhone(アイフォーン)版の一部でも、初期化や通知が届かない不具合があったことを明らかにしました。この際、Android版の不具合は解消したと発表されたのですが、田村大臣は「今回の解消を図る不具合とまた別の不具合もありまして…。まだいろんな不具合が実はあります」と述べました。

1日1回程度、アプリを再起動させる必要があるという、新たな不具合が生じているということで、引き続き改善に努めていくとしています。

(2月18日『news zero』より)