×

各国大使館「#沈黙しないで」SNSで次々

2021年2月8日 20:40
各国大使館「#沈黙しないで」SNSで次々

東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森会長の“女性蔑視”発言をめぐり、8日も国会で議論されました。また、男女平等先進国のヨーロッパ各国の大使館が「沈黙しないで」と一斉にSNSで発信しました。この言葉にこめられた意味を解説します。


■大会組織委「森会長の発言は不適切」
 

森会長の発言をめぐり、8日も国会で議論されました。

立憲民主党・早稲田夕季議員「この問題は(森)会長個人の失言のレベルの範囲の問題ではない。(森会長は)続投するべきではないのではないでしょうか?」

菅総理「それは私自身が判断する問題じゃないですよ。東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会で人事は決めることになっているので、独立した法人としての判断を尊重する立場です」

菅総理は、「森会長の発言は国益にとっては芳しいものではない」としながらも、続投すべきかどうかについては、組織委員会が判断すると繰り返しました。

森会長の発言については7日夜、初めて組織委員会が公式サイトを通じてコメントを発表しました。「先週の森会長の発言はオリ・パラ精神に反する不適切なもの」と、初めて発言が「不適切」だと認めました。その上で「ジェンダーの平等は東京大会の基本的原則のひとつ」と強調しました。

森会長の周辺によると「森会長自身は最初の発言についても反省しているし、その反省が会見で伝わらなかったことも反省している」ということです。

また、オリンピックのスポンサー関係者は、「ポジティブなキャンペーンなどを行おうと思っていたのに、『オリンピック=ネガなイメージ』になった。困るよね」などと話し、とにかく騒動が早く収束して欲しいと言っていました。


■大坂なおみ選手「とても無知な発言」「周囲も指摘すべき」

そんな中、東京オリンピックでメダルが期待されている女子テニスの大坂なおみ選手もコメントしました。森会長の発言内容を全て把握しているわけではないとした上で、次のように話しました。

大坂なおみ選手「いい発言だとは思いませんでした。コメントを求められる立場にある人は、話す事柄について知識が必要で、とても無知な発言だったと思います」

大坂なおみ選手はまた、「周囲の人たちも、彼の発言について指摘すべきだと思います」とも述べています。

森会長の責任もあるが、周囲もそれを聞き流す空気をつくってはいけない、傍観者になってはいけない。大坂選手はそう指摘しているんですね。


■「大いに問題」「多少は問題」 9割超
 

NNNと読売新聞が2月5日~7日に行った世論調査では、森会長が「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」などと発言したことについて、「大いに問題がある」「多少は問題がある」が合わせて9割を超えました。

また、ネット上では、森会長の処遇検討などを求める署名活動も行われていて、8日午後3時現在で13万人以上の署名が集まっています。
この署名活動の発起人メンバーの1人で、ジェンダー平等を目指す活動を行う山本和奈さんは8日、私たちの取材に対し、「何度も何度も、こういった発言が繰り返されても、何も社会としても変わらないところが恥ずかしいです」と話しました。その上で、短期間でこれだけの署名が集まったことは心強いと話していました。


■各国大使館がツイート「沈黙しないで」
 


森会長の発言をめぐり、日本に駐在するヨーロッパ各国の大使館が相次いでツイッターに投稿しました。
ドイツ大使館、スウェーデン大使館、フィンランド大使館、駐日欧州連合(EU)代表部などで、いずれも、ドント・ビー・サイレント「#DontBeSilent」=「沈黙しないで」というハッシュタグをつけて、マスク姿の人々が手を挙げている写真が掲載されています。

ドイツ大使館が呼びかけて、8日夕方の時点で約4万8000の「いいね」がついていました。手を挙げているのは「私たちは支持する」という意味で、「人権、平等は、私たちがいつも大切にしている価値。あらためて伝えたかった」と担当者は話していました。

と同時に、どの大使館の方も、当たり前のことを伝えただけなのに、大きな反響があって驚いているという様子でした。


■「#沈黙しないで」に込められた意味。
 
フィンランドでは、市民が声を上げることで社会が変わるという意識が根づいています。2012年に「市民イニシアチブ法」という法律が施行。これは、有権者5万人の署名が集まれば、国会で取り上げないといけないという規定で、市民が主導権をもつという意味があります。

これによって最初に法律になったのが、同性の結婚を認める婚姻法。国民が声をあげることで、自らルールや法律を作っていく土壌があるのです。声をあげた後の仕組みも大事なのです。

今回、森会長の発言をめぐっては、副産物として、こうした議論が世の中に広がったことがあるとみることもできると思います。そして、ジェンダーについては、世界との距離が日本にはまだまだあるのだなということも分かりました。これはまた次の一歩のためのエネルギーになるのではないかと思います。

声をあげると「面倒くさいやつだ」と思われるという気持ちも働きます。沈黙していた方が楽という思いもあるでしょう。ただ、同じ思いでいる人と集まって声を上げることで、社会が変わっていく。それが民主主義の活性化につながっていくのだと思います。

(2021年2月8日16時ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より)