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妻の死去から1年 有本明弘さんの思い

2021年2月3日 21:53
妻の死去から1年 有本明弘さんの思い

北朝鮮による拉致被害者、有本恵子さん(61)の母・嘉代子さんが、娘と会えないまま亡くなってから3日で1年。父の明弘さん(92)が今の思いを語りました。

■娘に会えない37年“会わせてあげたかった”

娘の恵子さんは、1983年、ロンドンへ語学留学中に23歳で拉致され、帰国できないまま37年が過ぎました。

長い間、夫婦で戦ってきましたが、去年2月、嘉代子さんは帰らぬ人に。明弘さん「本人は『ええ一生だった』って言うには言ったけどね」終始どこか複雑な表情を浮かべる明弘さん。「恵子さんに会わせてあげたかったですね」と記者が問いかけると、言葉少なに「そやな…」と寂しげに口にしました。

インタビューの最後に語ってくれたのは2人で過ごした70年のこと。

明弘さん「70年一緒だった。(お互い)90歳になるまでケンカせんでやってこれた。でも70年振り返ったら、『嘉代子』て名前呼んだことないねん。『おい』とか『おまえ』って。名前を言わなかったことだけは心に残ってな」

娘のためだけでなく、妻のためにも「これからも活動を続けていく」と誓った明弘さんも92歳。残された時間は長くありません。