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「同時配信など」の権利処理を一部簡素化へ

2021年2月3日 19:50

文化審議会の著作権分科会は3日、テレビ番組を放送と同時にインターネットでも流す、「同時配信など」の権利処理手続きを、一部簡素化する報告書をまとめました。

テレビ放送とインターネット配信は、著作権法上の手続きが異なっており、テレビでは流れた映像が、権利者からの使用許可が得られなかったり、間に合わなかったりした場合には、ネット配信では見られないという課題があり、放送事業者には負担となっていました。

こうした課題について検討していた、文化審議会の著作権分科会は3日、テレビ番組を放送と同時にネットでも流す、「同時配信など」の権利処理を一部簡素化する報告書をまとめました。

放送や配信の途中でも、最初から見ることができる「追っかけ配信」や、終了後でも一定期間見られる「見逃し配信」も対象です。

提供映像や音楽を円滑に利用できるようにするもので、報告書では、「放送では許諾なしに著作物を自由に利用できることとなっている規定を、同時配信などにも拡充する」「放送番組での利用を認める契約の際、権利者が別途の意思表示をしていなければ、放送だけでなく同時配信などでの利用も許諾したものと推定する」などと提言しています。

これを受けて文化庁は、今行われている通常国会に著作権法の改正案を提出し、来年1月1日の施行を目指しています。テレビ放送のネット同時配信などをめぐっては、著作権法の改正によって、一定の環境整備はされますが、最終的には放送事業者や権利団体など、民間と民間による合意形成ができるかも、重要になってきます。