×

案里議員に有罪 市議1人へ現金提供は無罪

2021年1月21日 20:25
案里議員に有罪 市議1人へ現金提供は無罪

公職選挙法違反の罪に問われている参議院議員の河井案里被告の判決公判が1月21日に行われ、東京地裁は、懲役1年4か月・執行猶予5年の有罪判決を言い渡しました。市議1人に対する現金提供については無罪としました。

参議院議員の河井案里被告は、初当選した2019年の参議院選挙をめぐり、広島県の県議らに現金を提供し買収したなどとして、公職選挙法違反の罪に問われています。

21日の判決公判に、案里被告は黒髪のショートカットに、黒色のパンツスーツ姿、議員バッジを着けて出廷。裁判の最大の争点は、現金の趣旨が選挙での票を得るための「買収」であったかどうかでしたが、これについて、東京地裁は判決の中で、案里被告が現金を提供した広島県議ら5人のうち、4人については、「買収」に当たると認定。その理由として、選挙情勢や現金授受の時期や状況、金額などを考慮し、現金は「投票取りまとめの報酬」であり、「選挙買収であった」と認定しました。

一方で、残る1人の胡子江田島市議については、案里被告が「現金を供与するかもしれないとの認識は有していた」と指摘。しかし、主導したのは克行被告であり、案里被告の「積極的な関与や強い影響は認められない」ことなどから、「克行被告との間に共謀を認めるに足りる事情はない」として、無罪としました。

その上で、「民主主義の根幹である選挙の公正を害する犯行」などと指摘し、懲役1年4か月・執行猶予5年の有罪判決を言い渡しました。

案里被告は落ち着いた様子で判決の言い渡しを聞いていて、何度もお辞儀をして法廷を後にしました。判決後、案里被告は「主張のうち一部しか受け入れられておらず、その点では大変遺憾である」とコメントしています。

案里被告の弁護士によると、控訴についてはこれから検討するとしています。今後、有罪が確定した場合や、案里被告の秘書について連座制の適用が確定した場合には、案里被告は失職することになります。


【公判を追う】河井夫妻・選挙違反事件案里被告第30回公判(1月21日)