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克行被告裁判“現金は応援依頼”証言目立つ

2021年1月18日 15:58

元法務大臣の河井克行被告の公判が18日に行われ、広島県の沖井純県議や窪田泰久県議らが証人として出廷。克行被告が現金を渡す際に「(県議選の)当選おめでとう」などと言ったことは、「単なる名目にすぎない」などとし、現金の目的は当選祝いではなく選挙応援の依頼だとする趣旨の証言が目立ちました。

18日の裁判では、午前の法廷に沖井純県議が証人として出廷。沖井県議は、おととし4月に克行被告から現金50万円を受け取ったと証言しました。

沖井県議は、事務所を訪れた克行被告が「このたびは当選おめでとうございます」と沖井県議に対し当選祝いの言葉を述べ、雑談をした後、「内ポケットから白い封筒を出して『お祝いです』と言ってポンとテーブルの上に置きました」「現金か商品券が入っていると思いました」と述べました。

「買収目的だと思いました」とし、克行被告が「お祝いです」と言ったことについては、「単なる名目にすぎないと思いました」と話しました。

白い封筒について、「違法な金で、持っておくとこちらまで危なくなる」と思い、数日後に克行被告の事務所に返しに行ったと証言し、克行被告に対する今の気持ちとして、「多くの人を事件に巻き込み苦痛や迷惑を与えているのは事実」「厳粛に受け止めていただきたい」と述べました。

法廷では、沖井県議が受け取った金額について「50万円」と証言しながらも、実際に現金がいくら入っているか明確に数えたことはないとしたことなどから、裁判長や弁護側からたびたび質問を受け、「30万ははるかに超え50万程度入っていました」と繰り返し述べる場面もありました。

午後の法廷には、窪田泰久県議が出廷。窪田県議は、おととし4月に克行被告から現金30万円を受け取ったと証言。事務所を訪れた克行被告から、窪田県議の県議選について、「当選おめでとう」と言われるなど雑談をした後に、「おめでとう」という言葉と共に封筒を差し出されたと述べました。

「おそらく現金だと思いました」「これから行われる参議院選挙において支援を求めて来られたのかなと思いました」とした上で、「『ありがとうございます』と言って受け取りました」「断ると角が立つと思いまして、その場では返せませんでした」と話し、断ることなく現金30万円を受け取ったと証言しました。

その後、同様に現金を受け取った山下智之県議と一緒に、克行被告の事務所に現金を返しに行ったと述べました。

【公判を追う】河井夫妻・選挙違反事件克行被告公判(1月18日)