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菅首相、勝負の一年コロナ、五輪、解散は…

2021年1月1日 7:05
菅首相、勝負の一年コロナ、五輪、解散は…

菅首相にとって2021年は「東京五輪・パラリンピック」「自民党総裁選」「衆議院の解散・総選挙」これら全てで結果を出すことが求められる勝負の1年となる。そのためには「新型コロナウイルスの感染拡大防止」が、絶対条件となる。

■コロナ対策
しかし、肝心のコロナ対策では菅首相肝いりの政策「GoToトラベル」をめぐる政府の対応に国民の批判が高まり、支持率の急落を招いた。

世論に押し切られる形で突然GoToトラベルを全国一斉で一時停止することを宣言したが、2021年1月11日に期限を迎える。まずは、その出口戦略が2021年最初のハードルとなる。

菅首相の国民に対する発信については与党内からも「説明不足。国民にメッセージが届いていない」と批判の声があがる。

菅首相が掲げる「感染拡大防止と経済の両立」の実現に向けては国民の協力が不可欠で、先月25日には記者会見を開き、「静かな年末年始」を呼びかけた。

■解散
2021年は菅首相の自民党総裁任期が9月。衆議院の任期が10月に迫る。菅首相はデジタル庁の創設や脱炭素社会の実現、携帯電話料金の値下げ、不妊治療の助成拡大など、目に見える形で成果を積み重ね総裁選・総選挙の勝利に結びつける戦略だ。

現状では衆議院の解散時期をめぐってはいくつかのタイミングが考えられる。

■解散時期(1)
2021年度予算成立後の4月頃。ただ、その場合、看板政策のデジタル庁創設などの重要法案が残っているため菅首相が解散には踏み切るとは考えにくい。そのため自民党関係者は「重要法案成立後の5月解散は可能性がある」と指摘する。

■解散時期(2)
通常国会会期末の6月。看板政策で着実に実績を示し国民に成果を強調した上で解散する案だ。この場合、6月か7月に行われる東京都議会議員選挙とのダブル選挙も視野に入る。

与党・公明党にとって都議選は国政選挙並みに力を入れる選挙のため、公明党の山口代表は会見で「現実的でない」と述べるなどダブル選挙には否定的だ。

■解散時期(3)
現状では東京オリンピック・パラリンピックの後が本命とみられている。その場合、解散が自民党総裁選より前になるか後になるかの違いはあるが「9月解散。10月総選挙」となる。自民党の閣僚経験者も「五輪が終わって国民が高揚しているときに解散するのがいい」と話す。

公明党関係者も「都議選に勝ち、東京五輪で盛り上げ、総裁選の後に総選挙だ」と語る。

一方、菅内閣の支持率が低迷したまま9月の総裁選を迎えた場合、ある自民党のベテラン議員は「菅首相を代える動きが党内で強まる」と指摘する。自民党閣僚経験者も「菅首相ではなく選挙で勝てる候補に一気に票が流れる可能性がある」と話す。

2021年はコロナの感染状況と内閣支持率をにらみながら解散時期を探る難しい政権運営を迫られることになる。