ジャージー登校で節水 断水懸念の南房総市
ダムの水が減り、一部地域で断水が懸念されている千葉県南房総市。節水のため、さまざまな取り組みが行われる中、牧場は“ある危機”に直面していました。
22日朝、南房総市の中学校で“ジャージー登校”をする生徒たち。来る生徒、来る生徒、全員がジャージー姿。この日、制服の生徒は1人もいませんでした。
というのも――
嶺南中学校・三平智子校長「“洗濯の回数を減らす”という意味でジャージー登校にしました」
市の一部に水道水を供給している小向ダム。10月の水門工事前に比べて、現在は4割ほどしか水がなく、供給エリアでの断水が懸念されているのです。
そのため、嶺南中学校では、制服時に必要なワイシャツなど、洗濯物を少しでも減らせるよう、先月30日から“ジャージー登校”を導入しました。
嶺南中学校・三平智子校長「(近くの)小学校の給水塔から引っ張った仮設水道の水を使って、小向ダムの水は使わない」
また、掃除もから拭きで行うなど、極力水を使わないようにしているということです。
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一方、70頭の乳牛を飼育している牧場。機器の洗浄に使う水を減らすなど、できる限りの節水はしているといいますが…。
水野牧場・水野圭一さん「節水は基本…生き物を扱っているので厳しいかな。水がないと乳量に大きく影響」
生き物である乳牛に必要な水を、節約するわけにはいきません。そのため水野さんは、1つ1400リットル入る貯水タンクを3つ購入し備えることに。しかし――
水野牧場・水野圭一さん「(水は)大体8トン、1日に使う。牛の飲み水で7トン」
乳牛が1日に必要とする飲み水は、なんと1頭あたり100リットル。“牛の飲み水不足”という思わぬ危機にひんしていました。
水野牧場では、断水時に井戸水を牛の飲み水にするなどし、対応するつもりだということです。
市の水道局は――
南房総市水道局・眞田裕之局長「(水門)工事後の小雨傾向が、ダムの水位低下につながっている。市としては天災であると」
例年の5分の1程度の雨量となった先月。今月も、まとまった雨がありません。
南房総市水道局・眞田裕之局長「(断水への懸念が)いつまでというのが見通せない。そんな状況です」
市の水道局によりますと、来月14日には、市内3200世帯で断水の可能性があるということで、引き続き節水への協力を呼びかけています。